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FREEDOM of Living開催レポート

英国・ブリストルよりセルフビルド・コミュニティ『Ecomotive』のディレクターとして活躍する仕掛人、ジャクソン・モールディングを迎えタイニーハウス、トレーラーハウス、インテンショナル・コミュニティ(エコビレッジ)など各分野で活躍する登壇者も交え「世界で広がる自由な住まい方」をテーマにディスカッションをおこないました。

日程:2016年11月2日(水)
時間:18:30受付、19:00スタート
会場:LOFT9 Shibuya
主催:BeGood Cafe
共催:U26、NPO法人えこびれっじネット日本GEN-Japan、350.org
料金:1,500円(飲食代別)

当日の来場者は約100人と、会場はほぼ満員。
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ジャクソン・モールディング(Ecomotiveディレクター)
一番最初の登壇者は英国・ブリストルからのスペシャルゲスト、ジャクソン・モールディング
ブリストルでセルフビルド・プロジェクトで賞を受賞した『Ashley Vale Action Group』に2000 年より所属。現在は建築コミュティー・ ハブEcomotive のプロジェクトSNUGのディレクターとして建築家・設計家と共に、ハウジングプロジェクトで活躍されています。
彼のセルフビルド・プロジェクトはもちろん、CLT(Community Land Trust)という、日本ではあまり知られていない住宅システムについてもお話ししていただきました。

コミュニティ・ランド・トラスト(CLT)とは?

コミュニティ・ランド・トラストとは、「共同体土地信託」すなわち、地域のコミュニティによる土地の管理を保証する、主に地域の住民によって構成される非営利組織の種類です。

CLT は様々な役割を果たしますが、主に住宅の価格の急激な高騰を防ぎ、長期に渡り住宅の値段を手の届く価格に抑えることを目的に組織されます。これを実現するために、CLT は土地を購入し、永遠に(土地を売らないと決めた上で CLT は土地を購入します)その所有権を保ちます。CLT が所有する土地は、その上に建てられた家を所有する住人に 、更新可能な長期賃貸(99年の場合が多い)としてリースされます。このリース代金は管理費としてCLTにより使われます。(このように、CLT では住宅と土地の所有者が異なります。)

そして、住人が物件を売る際に出る売上金の一部を CLT が受け取ります。
(例えば、契約によりCLT が売り上げの 50% を受け取ると約束していた場合、売上金の50% が 家の所有者に渡り、残りの50% がCLT に渡ります。)次の居住者はCLTにより設定された価格で家を買い取り、前の住人と同様リースを払います。

*CLTでは、家と土地の所有者を切り離します。土地は非営利目的でCLTにより所有されるため、居住者は家の価格のみ支払います。普段なら土地+住宅を支払うところを、住宅のみを支払うので格段にお得です。
*ジャクソンの母国イギリスでは、住宅の価値が時とともに上昇します。日本のように家が数十年で取り壊されず、何百年にもわたり使われ続けるからです。

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竹内友一(ツリーハウスアーティスト)
続いて登場したのはタイニーハウスとツリーハウスアーティストの竹内友一さん。
アメリカ西海岸のタイニーハウスを巡るロードムービー 「simplife」を製作中。来春に公開、全国上映ツアーの予定とのことで、一部ご紹介していただきました。タイニーハウスムーブメントとは?心地よい人生設計とは?オレゴン州のポートランドの知人のインタビューも含めた心あたたまる映像で、来春の公開が楽しみです。
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今回のイベントでご協力いただいた団体の活動紹介もありました。
写真上から順に、Neighbors Next U26 Project、NPO法人えこびれっじネット日本 GEN-Japan、土谷貞雄さん、そして今回通訳でもご協力いただいた350.org Japanの清水イアンさん。
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鈴木菜央(greenz.jp)
続くgreenz.jpの代表、鈴木菜央さんは、現在トレーラーハウスに住んでいるそう。トレーラーハウスに移住した経緯や楽しみ方、生活の変化や新しい発見など、等身大の目線でお話ししていただきました。これなら自分もできるかも?と共感した方もいたはず。また最近では自分の家の周りにも“トレーラーハウス仲間”が増えているそうです。
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鯉谷ヨシヒロ(インテンショナル・コミュニティ協会代表)
休憩を挟んだ後に登場したのは“ソーシャル・ヒッピー”、インテンショナル・コミュニティ協会代表、メキシコ在住11年、写真家、建築家…と様々な活動をされている鯉谷ヨシヒロさん。彼の周りの“自由な住まい方”や、最先端エコビレッジについてお話ししていただきました。
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「ホースキャラバン」では中南米を馬30頭20人で旅しサバイブ。一カ所に定住しない「移動するコミュニティ」や、熊本のエコビレッジ『サイハテ』についてもご紹介いただきました。
次世代のエコビレッジである「インテンショナル・コミュニティ」プラットフォームを構築中だそうで、その活動・生活など、他の登壇者とはまた違った視点の「新しい住まい方」についてお話ししていただきました。また今年年末~年始にかけて行われる「COSMIC CONVERGENCE(コズミックコンバージェンス)」というフェスティバルの開催についてもご紹介。パーマカルチャー、サイケデリック/トランス、ヨガなど盛りだくさんな内容。今年は日本国籍の方は参加費が無料らしいので、年末年始はグアテマラで過ごしてみるのも良いかもしれません。
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最後は登壇者3名(鈴木菜央さん除く)でディスカッション。お金の価値とは?コミュニティーの役割りとは?Q&Aの時間も設け、あっというまに終了時刻を迎えました。ご参加いただいた皆さま、どうもありがとうございました!今後もビーグッドカフェのウェブサイトやFacebookにてイベント情報をお知らせします!
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プログラム
18:30     ドアオープン
19:00-19:30 ジャクソン・モールディング
19:30-20:00 竹内友一
20:00-20:20 協力団体紹介
20:20-20:50 鈴木菜央
20:50-21:00 休憩タイム
21:00-21:30  鯉谷ヨシヒロ
21:30-22:00 ディスカッション、Q&A

ゲストスピーカー:
ジャクソン・モールディング(Ecomotiveディレクター)
竹内友一(タイニーハウス、ツリーハウスアーティスト、simplifeディレクター)
鈴木菜央(greenz.jp代表)
鯉谷ヨシヒロ(インテンショナル・コミュニティ協会代表、REVorg代表)
通訳:清水イアン(350.org)
司会:シキタ純(NPO法人BeGood Cafe