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Returning エシカル・フューチャー

注目のエシカルブランドを紹介

社会貢献、環境問題に対する取り組みを積極的に行っているエシカルなブランドをご紹介した2010年7月〜12月の連載です。
「Returning」は「再び転じる」という意味で、環境は常に変わり続けるという自然の摂理を説いたタオの言葉。常に変わり続ける社会の中では、物事の両面で柔軟な想像力と意志の力が必要ではないかと思います。
本当に正しいと考え抜かれたことを、希望と意志をもって続けている。そんなエシカルの将来を考えるきっかけとなる様なブランドをご紹介します。

■Returning エシカル・フューチャー

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Vol.5 「HASUNA」 Vol.4 「デマリア」 Vol.3 「かぐれ」
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Vol.2 「ECOMACO」 Vol.1 「フレームワーク」

Returning エシカル・フューチャーVol.5 「HASUNA」

HASUNAというジュエリーブランドは、エシカルファッションがビジネスを通じて将来どのように社会貢献できるのか、という問いを私たちに与えてくれます。代表取締役の白木夏子さんがインドなどいわゆる発展途上国の鉱山で実際に見て感じたことから生まれたブランドだからです。そこで見た貧困や労働条件の悪さは、感性の鋭い白木さんの心に深く影響を及ばしました。リサイクルやフェアトレードの材料を使用して作られている数々の美しいジュエリーは、ハスの花のように汚れたものを浄化して美しいものに変える力を秘めており、またブランド名にもそのような思いが込められているそうです。
おしゃれなジュエリーをつけた時のうれしくて楽しい気分は誰もが経験したことがあるはずです。特にHASUNAでは、二人の絆の象徴であるブライダルリングに力を入れています。誰もが孤独ではなくつながっていることを大切に考えられていると言えます。現在白木さんは、ビジネスに関わる講演会や経営、デザインに至まで全てをこなしていて、多忙な日々を送られていますが、「好きなことをやっているので辛いと感じたことはありません」と、はにかむように笑ったその笑顔が印象的でした。

HASUNAのブライダルジュエリーコレクション。デザインだけでなく、背景も美しい

HASUNAのブライダルジュエリーコレクション。デザインだけでなく、背景も美しい

2010年7月ミクロネシア・ポナペ島にて真珠の養殖を始める島の人々と

2010年7月ミクロネシア・ポナペ島にて真珠の養殖を始める島の人々と

HASUNA http://www.hasuna.co.jp

この連載のタイトルであるReturningとは、再び転じるという意味で、環境は常に変わり続けるという自然の摂理を説いたタオの言葉です。良いことも悪いことも両方あって変わり続ける自然のダイナミズムの中で、倫理的な価値観も変わっていくかもしれません。善悪を決めることも難しいことです。しかし、本当に正しいと考え抜かれたことであれば、状況が悪い場合でも必ず良くなってくるという希望を見いだすこともできることでしよう。この連載も今回で終わりです。皆さまへ。エシカルの将来を考えるきっかけとなる様なブランドをご紹介できたことに感謝致します。

おくだ けいこ

Returning エシカル・フューチャーVol.4 「デマリア」

「デマリア」はイタリアのジュエリーメーカーです。アクセサリーのデザインの中に人権や点字によるメッセージが取り入れられています。例えば、世界人権宣言第1条、2条、18条、19条、27条が彫られたリングやペンダントはアムネスティ・インターナショナルへ売り上げの一部が寄付されています。また点字が刻まれたリングは、国際アイバンクへ売り上げの一部が寄付されています。日本にいると、人権や障害で苦しい状況におかれている人々のことを想像することは難しいことだと思われます。実体験しなければ想像するトレーニングが必要になります。それには様々な感情を感じる必要性があります。悲しみ、苦しみ、怒りなど全ての感情を感じることは、人間として大切なことだと考えられます。大切なことは感じた気持ちから気づきや学びがあることで、メッセージを読み点字に触れてみて、想像を膨らませることができるデマリアのアクセサリーは、私達の社会性を育む洗練されたものでもあり、デザインの国イタリアの歴史を感じさせられるものでもあります。

おくだけいこ

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点字が記されたリング、ブラインド・コレクション。負けないで夢を持って生きて欲しいというメッセージにあふれています。 各30,000円〜50,000円台

<ブラインド・コレクション メッセージ>

・・・Speechs・・・
■ Dr Martin Luther king ・・・I have a dream.
■ Buddha・・・・・・Believe only what you yourself test and judge to be true.
■ John Lennon ・・You may say I am a dreamer, but I am not the only one.
■ Winston Churchill・・・・The pessimist sees difficulty in every opportunity.
The optimist sees the opportunity in every difficulty.


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ヒューマン・ライツ・コレクション。ぜひ世界人権宣言を読みなおしてみてください! 各30,000円〜50,000円台

<世界人権宣言>

第1条
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。
第2条
1 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
2 さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。
第18条
すべて人は、思想、良心及び宗教の自由に対する権利を有する。この権利は、宗教又は信念を変更する自由並びに単独で又は他の者と共同して、公的に又は私的に、布教、行事、礼拝及び儀式によって宗教又は信念を表明する自由を含む。
第19条
すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。
第27条
1 すべて人は、自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有する。
2 すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有する。

Returning エシカル・フューチャーVol.3 オーガニックファッション発信のショップ 「かぐれ」

原宿の裏道を入り、森の小道に迷い込んだような場所に、「かぐれ」はあります。「かぐれ」は、オーガニックコットンの服と天然素材と手仕事からうまれる生活雑貨、ライフスタイルを提案しているセレクトショップです。フェアトレード商品や環境に配慮された洋服やファッション雑貨、手作業にこだわった生活雑貨が紹介されています。また「かぐれ」は漢字では香具礼と書き、万葉集に由来した言葉です。あまり聞き慣れない音ですが、神聖な雰囲気を持ち、寄り集まる、という意味があり。セレクトショップでありながら、「糸紡ぎ」から「冷えとり」、「ネイルケア」など様々なワークショップが行われ、開催後の報告会も行われる予定です。「かぐれ」は、一般的にイイモノとされているものではない、自分に自信を持って選択し、きれいで健やかで幸せであれるような場所を提案している、ということでした。「かぐれ」というお店の持つ雰囲気と居心地の良さは、都会に居ながら地球(自然)と人が関わって生きていく美しさを再認識させてくれる場所であるといえます。

おくだけいこ

1
建物の入り口へ続く道は自然のままで、思わず足をとめ眺めるだけで癒されます
2
洗練されたシンプルな器が本当に美しい
3
1Fには、オリジナルやオーガニックコットンの洋服が並んでいます
4
2Fでは、自然の木の質感とセンス良く配置されたインテリア雑貨

Returning エシカル・フューチャーVol.2 「ECOMACO」

ECOMACOは長野を拠点とし、先端技術と伝統技術の両方を取り入れ、衣類の製造工程をエコシステムの中で持続可能なものにしているブランドです。素材については、天然繊維だけにこだわらず、ポリ乳酸繊維という完全に土中生分解できる素材の将来性の高さや、職人の高い天然染色技術へのこだわりが特出しています。ECOMACOの洋服はどれも美しい色合いで、カラーコーディネイトが楽しめ、それによって消費者の色彩感覚も高めてくれます。デザイナーの岡さんは物事を否定するのではなく、肯定する人です。エコロジーとは本来自然と人間との関係性を言うものであり、決して商業的な流行を追うものではないはず、何度も改良や考えをめぐらせてなお続ける思いや、トライしてみる心もまたエコロジーであると考えられていました。化学繊維を生かすことに目を向けた先見性の高さと重要性に、発想の柔軟性が伺えます。それはやはり、長野に住んでいるという自然環境の影響もあると感じました。

おくだけいこ

1

微妙なニュアンスのトーンのバルーンワンピース
ワンピース 33,600円(税込み)
ストール 参考商品

2

グラデーションが楽しい、洗ってそのままでOKのシャツ達

3

和風プリントがキュートなインナーとゆったりとしたドレープのコート
コート 46,200円(税込み)
チュニック 29,400円(税込み)
パンツ 33,600円(税込み)

Returning エシカル・フューチャーVol.1 「フレームワーク」

今回から社会貢献、環境問題に対する取り組みを積極的に行っているブランドをご紹介していく連載をBeGood Cafeウェブサイトの中で始めることになりました。このシリーズ名のReturningとは、タオの原理です。社会は常に変わり続けていて、物事の両面で柔軟な想像力と意志の力が必要ではないかと思い選びました。

第1回はエシカルに力を注いでいるブランド「フレームワーク」の定番ブランドである“ジュシュ ポードル”です。ジョシュ ポードルは、2003年からオーガニックを軸にしてはじめられたアメリカ西海岸のブランドで、ファッションにホリスティックな発想が持ち込まれています。人々が安いものを選ぶ傾向にある厳しい状況の中で、オーガニックに対する認識を広め、どんなに美しいシルエットが必要でもポリエステルは絶対に使わないという強いポリシーを持っています。デザイナーが大好きだという『ビー・ヒア・ナウ』が、道徳や倫理だけに留まらず自由な意識という点において深く影響を及ぼしているのかもしれません。
私たちの社会貢献にもつながる仕組み、応援していきたいですね。

おくだ けいこ

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紙媒体という理由で、売り上げの10%がアマゾンの森林保護団体へ寄付されている、フレームワークおなじみのmurmur magazine。

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デザイナー自らの仕事によるドローイングが楽しい。はりねずみプリント オーガニックT 7,875円