BeGood Cafe-Archive » 『未来の住まいフォーラム in 柏』開催レポート

『未来の住まいフォーラム in 柏』開催レポート

Pocket

ビーグッドカフェ内TAページへ戻る

昨年もBeGood Cafeが企画・運営をサポートしたテクノロジーアセスメントのワークショップが、東京大学公共政策大学院「先進技術の社会影響評価手法の開発と社会への定着プロジェクト」(i2ta)と柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK) との共催で開催されました。今回は3つのタイプの未来の住まい像を中心に、柏における未来の住まい像はどのようなものか、そして、それを実現する先進技術が生活に与える影響はどのようなものか、市民の皆様や多分野にわたるゲストとともに考えることができました。
ご講演いただいたゲストはもちろん、様々なご来場・ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

開催レポート/ 当日プログラム / 配布資料

テーマ:第1部 『2030年の住まいを探る! ~新築・持家を超えて』
第2部 『新しい住宅技術を評価しよう! ~ナノテクノロジーの利用』
日 時: 2010年7月17日(土) 10:30〜13:00、14:00〜17:00
会 場: 柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)
主 催: 東京大学公共政策大学院「先進技術の社会影響評価手法の開発と社会への定着プロジェクト」
柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)
後 援: 千葉県柏市、三井不動産レジデンシャル株式会社
企画制作: NPO法人ビーグッドカフェ

■開催レポート

第1部 2030年の住まいを探る! 新築・持家をこえて

午前中に開催された第1部では、技術と社会技術の変遷に関する基調講演と講演者による3つの未来の住まい像の提案の後、実際に住まい像を柏エリアで展開していく可能性や課題について、高齢者、子育て世代、留学生などの視点から市民の皆様やゲストとともにディスカッションを行い、理解を深めました。

IMG_1656[1]IMG_8887-1

第2部 新しい住宅技術を評価しよう! ナノテクノロジーの利用

午後に開催された第2部では、話題提供として、行政による建築物評価制度(CASBEE柏)と、企業による柏市での環境配慮の取り組みを紹介した後、市民参加演習1として、第1部の参加者に対するアンケート(CASBEEの評価項目と回答者が重視する項目のマッチングシート)の結果が分析され、参加者が住宅において重視するものによって3つのグループ(エコ重視派、安全重視派、つながり重視派)に分けられることがました。

メインとなる市民参加演習2では、まず、市民参加演習1で発表されたアンケートの結果に基づいて、参加者がエコ派、安全派、つながり派の3つの派に分かれて、講師のサポートを受けながら、住宅に関するナノテクノロジーを各派10個ずつ学びます。各技術への理解が深まったところで、古くて新しい住まい、スマート・リビング、創造のシェア住居の3つのケースに分かれて、導入したい技術を選択するワークショップを行いました。
ワークショップでは、最初に各自が3つ技術を選び、選択理由をグループ内で共有した後、さらに2つの技術を派に関係なく再選択や追加選択します。グループ内では、体験談に基づいたエピソードやユニークなナノテクの利用法なども出て、盛り上がりました。最後は、3つの住まい像、それぞれのグループから結果を発表。住まい像やそれぞれの志向性が、各技術にどのように影響するのかが現れ、今後の技術マーケットを考える上で興味深い結果となりました。

懇親会

フォーラム終了後に、ゲストや関係者を交えた懇親会を実施。オーガニックフードを味わいながら今回のフォーラムの内容や今後の展望などについて話がはずみました。(協力:PEACE DELI)

終了後、ゲストの方からも、今後、人口、エネルギー、経済、全てが縮小へ向う時代のなかでは、人間の本来持っている生命力を失わせるような利便性のみを追求した技術ではなく、人間の五感を補助し、行動のインセンティブを与えてくれるセンシング技術のような、技術をうまく使いこなすことで人間力も同時に鍛えられて行く技術が求められていくのではないかとのコメントも寄せられました。
今回は千葉県柏市という具体的なエリアを対象に行ったフォーラムではありましたが、改めて、今後の技術開発において、企業や市民と協働していく重要さを認識させられる場となりました。

image005image007

IMG_8891image011

image013

■当日プログラム

第1部 2030年の住まいを探る! 新築・持家をこえて

1.基調講演
「技術進歩と社会」 湊 隆幸 (東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授)

2.未来の住まい像の提案

  1. 「古くて新しい住まい」山田 貴宏(一級建築士事務所ビオフォルム環境デザイン室 代表)
  2. 「スマート・リビング」水谷 知裕(東京電力株式会社 販売営業本部 課長)
  3. 「創造のシェア住宅」 井上 聡子(株式会社リビタ コンサルティング事業本部 コンサルタント)

3.パネルディスカッション&フリーディスカッション
パネラー:後藤 純(東京大学高齢社会総合研究機構 特任研究員)
大山 晶子(株式会社細田工務店商品企画部 部長)
松岡 万里(東京大学大学院新領域創成科学研究科国際交流室 助教授)、他
モデレーター: 清家 剛(東京大学大学院新領域創成科学研究科国際交流室 准教授、UDCKセンター長代理)
ファシリテーター:シキタ 純(NPO法人ビーグッドカフェ 代表理事)

*第1部進行:三牧 浩也 (UDCK 副センター長)

第2部 新しい住宅技術を評価しよう! ナノテクノロジーの利用

1.話題提供:行政・民間の技術へのまなざし

  1. 行政の視点:「CASBEE柏による環境配慮の取り組み」
    安井 健 (柏市役所都市計画部建築指導課 主任)
  2. 民間の視点:「柏の葉地区における環境への取り組み」
    大宅 将之 (三井不動産レジデンシャル株式会社千葉支店開発室 主査)

2.市民参加演習 1
「住まいのニーズにどう応えるのか?:CASBEE柏を参考に」
吉澤 剛 (東京大学公共政策大学院 特任講師)
清家 剛 (東京大学大学院新領域創成科学研究科国際交流室 准教授、UDCKセンター長代理)

3.市民参加演習 2
「どのナノテクノロジーを生活に取り入れるのか?」
原田 幸明 (独立行政法人物質・材料研究機構 元素戦略センター センター長)
ファシリテーター:シキタ 純(NPO法人ビーグッドカフェ 代表理事)

4. 市民参加演習 発表

5. 講評
原田 幸明 (独立行政法人物質・材料研究機構 元素戦略センター センター長)
清家 剛 (東京大学大学院新領域創成科学研究科国際交流室 准教授、UDCKセンター長代理)
湊 隆幸 (東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授)

*第2部進行:吉澤 剛 (東京大学公共政策大学院 特任講師)

■当日配布資料

3つの住まい像についてまとめたオリジナル資料の他、ナノテクノロジーの技術解説集、CASBEE柏の評価計算データ等も配布されました。

ta0717当日パンフ_表紙ta0717当日技術リスト_表紙