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2015開催レポート

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「TOMODACHI 東芝科学技術リーダーシップアカデミー」開催大成功

TOMODACHI東芝科学技術リーダーシップアカデミー(TOMODACHI Toshiba Academy /TTA)は、日本と米国の高校生と教師を対象に、毎年1週間かけて行われる、国際交流・リーダーシップ・プログラムです。

震災復興支援から生まれたTOMODACHIイニシアチブを受け、同イニシアチブにおいて、技術革新分野における財政支援と科学技術教育に熱心に取り組む株式会社東芝と、公益財団法人米日カウンシルジャパン(U.S.-JAPAN COUNCIL)が主催しています。BeGood Cafeはこのプログラムの運営サポートを行いました。

本年の開催日は8月4~11日。日米の参加者が、未来のスマートコミュニティの実現に向け共に考え8日間を共にしました。参加高校生と教師たちは日米を交えたチームに分かれ、東芝未来科学館や東芝スマートハウス訪問、スカイツリーでのレクチャーや防災館などから体験、学び、共有し、課題に対する解決策を提言しました。

また、本プログラムで注目されるのが『STEM』教育と呼ばれるものです。
STEM教育とは、サイエンス(Science)、テクノロジー(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、数学(Mathematics)に重点を置いた教育です。また、このプログラムでは「Hands-On」といった「実習型」授業を大切にしています。

8月4日、いよいよこれから8日間のTTAが始まります。
今回のメイン施設である「X-Wave 府中」では日本人参加者がアメリカチームをお迎えしました。

簡単に施設に関する説明を受けた後は、ルームメイトと一緒に宿泊部屋へ。今回お部屋は日米ツインルームです。
明日からのプログラムに備えます。

本プログラムは生徒だけがメインではありません。
アメリカと日本の先生達も、生徒をサポートするだけではなく共に学びます。
初日の簡単な「先生プログラム」では本TTAプログラムの進行役であるヘレンとパトリックを中心に、これからのプログラム内容についてと先生達の役割についてなど、簡単にお話がありました。

TTAプログラムの進行役のお二人。ヘレン(右)とパトリック(左)です。
本業も先生であり、ヘレンの先生歴は20年以上、パトリックは約35年、 。ベテランです。


Day 2

本年のメイン施設で「X-Wave 府中」から歩いて約10分の場所にある東芝府中事業所にてオープニングセレモニーを行いました。
各代表者からの挨拶に加え、本プログラムの概要やルールなども説明。

初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法である「アイスブレイク」。その手法は様々ですが、今回はパズルや名刺交換などをツールにして行いました。

今回オープニングセレモニーを行った東芝府中事業所の前で記念撮影

オープニングセレモニー後はバスで移動して「東芝未来科学館」へ。
過去~現在~未来のテクノロジーを見学・体験し目と肌で感じました。

見学後は施設に戻り、生徒達は4グループに分けられました。
このグループ構成もヘレン&パトリックによって上手にバランス良く出来上がっています。

冒頭でも触れたように、本プログラムは『STEM』教育を念頭において構成されています。その中でも重要視されるのが「Engineering Design Process/エンジニアリング・デザイン・プロセス」。
どのようなカタチを作るか考え始め、情報収集、プロトタイプの作成し“設計”する – その一連のプロセス(過程)を「Engineering Design Process」と呼びます。

最初のグループワークは「エンジニアリング・デザイン・プロセスとは何か?」との問いを“設計”すること。付箋にそれぞれの考え方を書き、組み立て、説明します。まさにここからが「エンジニアリング・デザイン・プロセス」なのです。

「エンジニアリング・デザイン・プロセス」に基づき、ストロー、テープ、風船などの限られた材料を使い“タワー”を設計することが各グループに課題として出されました。グループではリサーチや先生からアドバイスをもらうなどして議論をします。


Day 3

3日目の朝食後はバスで浅草へ。
浅草にいる日本人と外国人に簡単な質問をし、用意されたシートに回答を埋めていきます。シートには決まった記入方法はありません。これもプログラムの一環です。

昼食は親子丼またはあんかけ焼きそば。

その後は『本所防災館』へ。
過去の災害や震災から体験を通して学びます。
日本の消火器の使い方や地震体験などもしました。


本所防災館の前で記念撮影


DAY4

4日目です。東芝事業所へ訪問からスタート。
『スマートハウス』では東芝の最先端技術を使った家の例を実際に見学ツアーをさせていただきました。

その後は会議室に移動し、ビル・ナイ氏による「エンジニアリング・デザイン・プロセス」についての講義。
アメリカ人らしいジョークを交えたレクチャーで、生徒達も楽しんで講義を受けました。

さらにこの日はスカイツリーへ。
スカイツリーの設計方法や、過程、工程など、全体的な“デザイン”に関する講義を真剣に聞く参加者達。
その後は実際にスカイツリーへ昇るべく、エレベーターで350階まで移動します。
とても静かなのに早い、とアメリカ人参加者は動画を撮影している姿も見受けられました。このエレベーターは東芝製です。


スカイツリーにて記念撮影


DAY5

昨日の講義で学んだことも活かし、タワービルディングの最優勝グループを競います。

審査員の方々
(左から)ヘレン、デイビッド(NSTA)、ビル・ナイ(Planetary Society)、大森様(東芝)、パトリック

今回の優勝者はグリーンチームです!台風(霧吹きと扇風機)や地震などの災害にも強いResilient(しなやか)なタワーを見事に作り上げました。

休憩を挟んだ後、この日のプログラムの一つである「Argue from the Evidence」が始まります。
根拠・証拠をあげて議論する、という考えです。論理的に事理を説明できるよう、例をあげて生徒達に説明します。
また、この日はチームごとに「国」を決め、その国が持つ課題から、解決方法を提案。
最終日のプレゼンテーションに向けてアイデアを出し合い議論します。

その頃、先生達は別部屋に移動し「先生プログラム」を行いました。
NSTAからデイビッド氏、そしてビル・ナイ氏をホストに迎え、所属している学校での課題や今後の自分のチャレンジなど、それぞれの視点からの意見を交換し合い今後の教育の発展へとつなげます。


DAY6

この日は少し気分を変えて、リフレッシュをしに高尾山へハイキングへ。
参加者全員が頂上まで登り切りました。
お昼はお蕎麦屋さん。
パトリックは「人生で食べた中で一番美味しい蕎麦だ」と絶賛していました。(笑)


生徒達は明日のプレゼンテーションへ向けての準備を着々と進めます。

その間、先生達は別部屋で”Logy&Nomy”(https://www.facebook.com/LogyNomy)を体験。ファシリテーターは慶應義塾大学の来住様。
ボードゲームを通して環境や経済について考えるきっかけを与える“環境教育ツール”です。
先生達からは様々な意見も。和気藹々としていました。


day7

いよいよ最終プレゼンテーション(成果発表会)です。
様々なゲストやオーディエンスの中、生徒達は各グループごとにテーマを発表。プログラム期間中に学んだことが生かされており、生徒達もとても堂々としていました。


デイビッド氏(NSTA)によるスピーチ


先生もそれぞれ、「自分がプログラムを通して学んだこと」を発表。


day8

忙しかったけど、あっという間に過ぎていった8日間。アメリカチームはバスで空港へ向かうため、日本チームのお見送りで施設を後にしました。今後も皆さんの活躍に期待大です。
Thank you very much everyone and see you soon!