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日本は世界5位の農業大国 浅川芳裕著 講談社503-1 C

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農業大国
もうご存知だと思いますが、念のため。この『日本は世界5位の農業大国 ~大嘘だらけの食料自給率』なる本は凄い。
私も、「農家の高齢化→耕作放棄地の増加→日本の食料自給率低下」という因果関係が社会問題だと思っていたが、ところがどっこい、それは農水省が 省益のために考えだしたことだそうだ。私が言っても説得力がないから、ぜひこの本を読むことをお薦めする。
まず、自給率を指し示す指標自体が怪しい。これは、私も以前からそう思っていた。食料自給率の低下の原因は、農家の高齢化や耕作放棄地の問題では なく、まさしく私たち国民の食習慣の変化が原因なのだ。魚の塩焼きやひじき、きんぴらごぼうとか、もともと私たちが食べていたものを食べ続けてい れば、輸入は少なかったはずだ。牛肉とかパン食などの比重が高くなったのが自給率低下の直接的な原因。
また、もうすぐ始まる農家への個別所得保証制度が怪しい。1兆円という大金が事故米事件を起こした全国の農政事務所を通じてばらまかれる。危なそ うだ。
また、なぜ日本のスーパーには美味しくて安い欧州のバターが入って来ないのだと思います? なぜ豚肉や小麦の輸入に特別な制度があるのだと 思います?
私たちの知らない農水省のカラクリがたくさんあるそうです。
日本の農業を「危機だ~!」と悲観せず、世界第5位の農業大国として、磨きをかける時代だそうです。これに市民やNOが力を貸すのは大いに結構と いうことでしょう。前向きに、健全に、農業を応援したいです、はい。
(著者の浅川氏は、月刊「農業経営者」副編集長)