タイ版農的知恵、発見!
東芝地球未来会議で訪れた「The Royal Nature Conservation Center」 をご紹介しよう。
ここは、1989年から設立準備が始まった王室のプロジェクトであるが、プミポン国王の「たるを知る経済」(Sufficiency Economy)を思想的背景として、PanyaPulivekin氏によってタイの伝統的手法を後世に伝えるためのセンターとなった。 ちなみに、Panyaさんは、タイ農業銀行の支店長だったが、6年前にやめてこの道に入ったという方。約8,000坪という広い敷地の中に、さまざまな農 的工夫が凝らしてある。
まずは、「Check Dam」という手法。これは、小さな水路を造って、そこに何カ所も壁を造る。
水をせき止めることで、長く水を水路にとどめる。雨期には水が溢れるのを防ぎ、乾期には湿気をつくり出す。みんなで造り ました。木の杭を2列に突き刺して、間に石を置きます。これだけ。簡単です。
これは、水分の有効利用という意味では、パーマカルチャーで言うところのスウェイルという考え方と同じ。 また、水の流れをせき止めていく手法は、パーマカルチャーのバイオジオフィルターと同じである。
次は、「Blanketing the ground」という手法。刈った草を竹の根元に置き、堆肥ものせて、竹に栄養を与える。水分の乾燥も防ぎ、土中のミミズや微生物を守る効果がある。
これも、パーマカルチャーでいうマルチングである。しかし、わざわざ何故 竹にマルチングするのかが分からなかった。日本ならほっといても竹は生長するのに。
園内には、こうやって竹のといがめぐらされている。雨水をためて、こうやって各所に水を届けているのだ。
園内には、薬草が多種植えられている。Panyaさんもいたるところで、ぱくぱく草を食べていた。この写真は薬草療法を重んじるオブジェである。
さて、園内の中央にある池に水車がある。これは、ぐるぐる回ることで水に空気をまぜ込んでいるのだ。勿論、魚などの住みやすい環境にするため。
また、こんなモノも浮いている。これは、なんと「フローティング田んぼ」だ!
こうやって浮いているところに苗を植えて、稲を育てている。アイデ アが奇抜だ…。
タイの農的知恵だが、なんとパーマカルチャー的であるのか。Panyaさんは、パーマカルチャーもビルモリソンも知らななったが、故福岡正信のこ とは尊敬していると語っていた。
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