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アースデイ東京2008特別企画 プラネットフューチャー レポート

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Earthday Tokyo 2008 プラネット・フューチャー
アースデイ当日の4月22日、青山の国連大学にて特別企画「プラネット・フューチャー」を開催しました。平日にもかかわらず、たくさんの方がつめかけてくださり、夏の洞爺湖サミットに向けて、地球の現況を知り共に考えることができました。
ご関係者のみなさま、ご協力ありがとうございました!


第一部 ナショナル ジオグラフィック チャンネル 環境映像祭
第一部では、ナショナルジオグラフィック提供による環境映像を4本上映。来場者の方々も貴重な映像の数々に見入っていました。

『地球環境レポート2008』
近年問題にあがっている環境問題を広く全般的にレポート。二酸化炭素の排出をどのように削減していくのか、絶滅危機動物の保護など生物多様性をどのように維持していくのか、各国政府や市民による対策や取り組みの紹介がされました。

『野生の楽園:ブータン 最後の理想郷』
ブータンの自然や生物、人々について、尊さをもってまとめられた映像。美しい大自然の中で生きる動物や人々の生活、移動、食物連鎖など自然の循環が描かれており、本来あるべき地球環境の姿がうかがえました。

『クジラたちの唄』
「唄」とも表現されるクジラの鳴き声。人間同様に知能が高いといわれるクジラの生態と、世界中で行われている捕鯨禁止を求める運動が紹介されました。日本でも度々ニュースで取り上げられる捕鯨の問題。クジラが捕獲・解体される映像も含まれており、来場者の心にも強く残ったようでした。

『6℃が世界を変える』
地球規模の温暖化がこのまま進むとどうなってしまうのか。極地の氷がとけ、生態系のバランスが崩壊し、現存する生物が死滅してしまう可能性や、最近頻発している温暖化による異常気象(欧州の熱波やハリケーンなど)など人間に対しても直接的な被害がでていくことなどをシミュレーション映像とともに紹介。熱波により植物が光合成に異常をきたし、酸素を放出せず二酸化炭素ばかりを放出するようになってしまうという驚きの情報もありました。

第二部 洞爺湖サミットに向けて私たちができること

(1)トークセッション
「G8北海道洞爺湖サミットに向けたNGOの提言とキャンペーン」


G8サミットNGOフォーラムの各ユニットよりゲストスピーカーが登場。同時期に開催される、先住民族サミットの実行委員も参加し、サミットの注目点や各テーマの現状を訴えました。

○ 環境ユニット:森田明彦さん
洞爺湖サミットに向けて、市民の意見を強く反映させるべく結成された、G8サミットNGOフォーラム。現在は、環境・開発・人権に関する125団体が集まってさまざまな啓蒙活動や政府との対話を続けています。
森田さんが所属されている環境ユニットでは、洞爺湖サミットにおいて、地球温暖化とアフリカの開発問題が議題の中心になると推測。地球温暖化についてはその影響を気候変動、生物多様性、人間の健康への被害などの点から述べ、3R(リデュース・リユース・リサイクル)政策の推進を主張されました。また、二酸化炭素の排出量についても、産業発展を遂げている中国やインドと並んでG8諸国の責任が問われるべき。未だ達成されない京都議定書での温室効果ガス削減目標も含め、今後とも不断の努力を続けていくべきだとのご意見を伺いました。

○ 貧困・開発ユニット:岩附由香さん
貧困・開発ユニットは「すべての人に保険サービスを」、「すべての子供を学校へ」をテーマに、アメリカでの医療問題などを取り上げ、貧しい人も医療を受けられるような保険サービスを各国で徹底させることを主張。また、世界では7,200万人の子供が学校に行けていない現状を述べ、各国が教育のための資金を確保すること、決められた額のODAを出して助け合うこと、アフリカの債務を削減することなどを訴えました。
NGOフォーラムでは、サミットが7月7日に始まることから、短冊にこれからの世界への願いを綴ってサミットへ届ける「100万人のたんざくアクション」というキャンペーンを展開しており、来場者でもできるアクションの一つとして紹介されました。

○ 人権・平和ユニット:高橋清貴さん
環境や開発の問題と連動してますます悪化している平和と人権の問題。すべての人々が平和に生きる権利を実現することを目指す人権・平和ユニットでは、G8諸国がもっている莫大な軍事費を貧困、環境対策に回すこと、対テロの名の下に人権侵害や過剰な報道規制で表現の自由を奪わないこと。また、イラクの現状を例に、各国が戦争に加担した責任を問い直すことなどを提案していくことをお話しされました。

○「先住民族サミット」実行委員会:酒田ミナさん
アイヌ民族をはじめ世界各地の先住民族を招いて開催される先住民族サミットでは、マウコピリカ(アイヌ語で幸せになる)を標語として掲げ、環境、教育、人権などの問題について集めた提言をG8に提出することを目指しています。現在、チベットで起きている民族問題についても触れ、「環境が壊れるより前に、人と人との関係が壊れる」と、先住民族の言語、文化、誇りを守っていくことの重要性を訴えました。

(2)アンニャ・ライト ミニライヴ

環境活動家で、2児の母でもあるアンニャ・ライトさんによるミニライヴ。1990年に「NGOナマケモノ倶楽部」をスタートし、スローライフを実践するアンニャさん。やさしく、でも心にしっかりと響くアンニャさんの歌声にしばし耳を傾けました。

(3)「アースキャラバン2008」からの現地レポート

洞爺湖サミットに向けて、NGOフォーラムの他にも様々なアクションが始まっています。今回は沖縄から洞爺湖までを結ぶ「アースキャラバン2008」の高橋素晴さんと電話中継を実施。キャラバンで移動しながら、各地で子供向けの環境学校ワークショップを開催している高橋さん。6月には関東圏に到着予定です。

(4)トークセッション「洞爺湖サミットまで77日。私たちができること」

NGOフォーラムの森田さん、岩附さん、高橋さん、ステキなライヴを披露してくださったアンニャさんに加えて、明治学院大学教授でスローライフ、GNHなどユニークなキーワードで知られる辻信一さんをお迎えしてトークセッションを行いました。
国の豊かさを図る数値をGNP(Gross National Product)からGNH(Gross National Happiness)に切り替えていくことや、そのために世界の幸福を増進するための政治学やビジネスがあってしかるべき、など限られた時間の中でいろいろな意見がでました。
環境問題も貧困問題も人権問題も地球全体の問題です。今こそ今日に至るまでのその原因を問い直し、G8諸国だけで世界の命運を決めず、世界中の市民の声を反映させていかなければいけません。
これからも、それぞれが本当の豊かさや幸せを常に問い直し、アースデイが終わってもサミットが終わっても、持続可能な地球について考え、行動し続けていきましょう!

会場展示ブース

会場ロビーでも、G8サミットNGOフォーラムによる「100万人のたんざくアクション」や「もったいないばあさん」など、複数の展示を行い来場者の注目を集めていました。