BeGood Cafe-Archive » 触れる地球塾デモンストレーション5

触れる地球塾デモンストレーション5

Pocket

⑤和亮さん 「トラの生息状況と地球環境」

 
まずは簡単に、触れる地球がどんな物なのかご紹介したいと思います。
触れる地球は直径が1.28m実際の地球の1000万分の1のサイズです。

(雲のシミュレーションなどを表示し地球を回転しながら、インターネットに接続されているので雲の状態をリアルタイムに表示することができるなど、触れる地球でどんな事ができるかの説明)

それでは、これから触れる地球を使ってアル動物と地球環境の関係について話しをさせて頂きます。
こちらの画像をご覧ください。

(モニターに分布画像を表示して紹介)

・色の薄い場所が1900年にアル動物が住んでいた地域です。
・色の濃い場所は1990年に住んでいた地域です。
・1990年で住んでいる場所が激減しているのが分かります。

「さて、この動物はなんでしょう?」

(ヒントを出し、答えを引き出す)

・日本人なら誰でも知っている動物です。
・干支に入っている動物です。

「答えは、トラです。」

トラは熱帯雨林からサバンナに至る、さまざまな自然環境の中で生きる野生動物です。
20世紀の初め、トラは世界に10万頭が生息していたといわれていますが、
今では、約3,000〜5,000頭の野生のトラが生き残っているのみと推定されている絶滅危惧種です。
トラは住んでる場所によって、9種類に分かれていました。
(トラの亜種の生息域画像が表示)
人間が地域によって髪の色や肌の色、鼻の高さなど体に違いがあるように、
トラも住む地域によって体格や模様、毛の長さなどに違いがあります。

(9種の生息地域を触れる地球を使って紹介)

しかし残念ながら、バリトラ(1940)、カスピトラ(1970)、ジャワトラ(1980)は既に絶滅してしまってもう観ることはできません。
この三種の絶滅原因は主に毛皮、大物撃ちなどの狩猟の犠牲と言われています。
残りの6種に関しても絶滅の可能性が有り、主な原因は、漢方薬の材料にすることを目的とした密猟と、地球環境の悪化が影響しています。
密猟でトラが殺されているので数が減っているのはわかりやすい問題だと思います。
それでは、なぜ地球環境の悪化でトラの数が減るのかについて、触れる地球を使って話して行きたいと思います。

生息環境の悪化の原因とされているのが、温暖化と森林伐採です。

(触れる地球でインドネシアへ行き、森林伐採の写真を表示)

紙の原料の為、またゴムやパーム油のプランテーションを作る為に森林伐採が行われ、トラの生息する場所が少なくなっている事が原因です。

次に温暖化ですが、なぜ温暖化がトラ減少の原因に繋がると思いますか?
それは、ヒマラヤや北極の氷が溶ける事で、海面が上昇してしまいます。

(触れる地球でヒマラヤへ行き、氷河の減少の写真を表示)

このように氷が溶けて、海面が上昇する事で陸が海に沈み始めている場所があります。

(触れる地球でツバルへ行き、海面上昇の写真を表示)

南太平洋のツバルは既に海面上昇の影響を受けていて、写真のように海に沈み初めています。

このような、状況がトラの生息地域でも起きているのです。
それは、どこかというと

(触れる地球でバングラディシュへ行き、バングラディシュとインド国境の衛星画像を表示)
 
バングラディシュとインド国境です。ここには何があるかと言うと。

(マングローブ画像を表示)

世界最大規模のマングローブの林が有り、インド側ではおよそ250頭、バングラディシュ側では200〜419頭が住んでいると言われています。
マングローブは川と海が混じり合う場所にできる森林なので、海面上昇による影響を受けやすく、この場所のトラの生息域は今世紀中に96%が失われるかもしれないことが判明しました。

このように、地球環境の悪化がトラの生息環境に影響し、絶滅の危機にあるということを知っていただき、トラを通して地球環境について考えるきっかけになればと思います。

←開催概要へ戻る