東芝地球未来会議 2009開催概要/レポート
今年で2年目となった東芝地球未来会議2009のキャンプが一週間に渡り開催され、世界から27名の高校生と12名の教員が日本に集まり行われました。昨年参加した米国、タイ、日本に加え、新たにポーランドからの学生を加え、環境問題の現状と将来について英語で議論を重ねました。参加者は生活を共にする中で互いの文化や言語の壁を越え、共通の課題を見つけようとしました。
本年度のプログラムの最大の特徴は、キャンプ中の目標として新聞作りを置いたことでした。すべての生徒たちが新聞記者になり、各地で人々の暮らしぶりや、最先端の知見を取材し、記事づくりに取り組みました。目標が明確になったことで、参加者が主体的に考えると同時に、集中力を持って課題に取り組むことができました。ウェブサイトを通じて提出されたキャンプ前の課題も新聞作りの有用な題材となりました。
また、昨年実施した「東芝研修センター」に加えて「城西国際大学安房ラーニングセンター」の協力を得て2箇所を拠点にプログラムは行われ、恵まれた自然環境と施設の中で交流や議論を深めることができました。
企画名称 | 東芝 地球未来会議 2009 |
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テーマ | 2050年CO2半減に向けて ~エネルギーのベストミックスを考える~ |
キャンプ期間 | 2009年8月1日(土) ~ 8月7日(金) |
参加国 | 日本、アメリカ、タイ、ポーランド (4ヶ国) |
参加者 | 高校生 27名、教員 12名 |
主催 | 財団法人 東芝国際交流財団 |
共催 | 東芝アメリカ財団、東芝タイ財団 |
協力 | 株式会社東芝、東芝総合人材開発株式会社、城西国際大学 国際教育センター、日本航空、東芝科学館、株式会社東芝 磯子エンジニアリングセンター |
企画制作 | NPO法人ビーグッドカフェ |
参加者が協力して作成したキャンプ新聞 ”Act Eco Journal” はこちらからご参照ください。
(全文英語です。)↓
8月1日(土) 1日目
午後には日本人参加者が千葉県鴨川市に位置する城西国際大学 安房ラーニングセンターに到着し海外参加者の到着まで6日目の東京ツアーの内容を考え、夜にはタイ、アメリカ、ポーランドの海外からの参加者が成田空港から合流し、オリエンテーションを行いました。
8月2日(火) 2日目
午前 | 開会式 アイスブレイク、チームビルディングワークショップ 到達目標共有ワークショップ 新聞 Act Eco Journal の編集方針説明 |
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午後 | 事前課題の発表 新聞 Act Eco Journal の編集班グループ分け レクリエーション シェアリング 開会式 |
財団法人東芝国際交流財団名女川専務理事から始まり、城西国際大学 石田副学長、NPO法人ビーグッドカフェ シキタ純から挨拶がありました。
開会式、チームアクティビティの後、各国から集まった参加者がこのキャンプで生活を共にする上での意識を共有しました。それは、「話そう」(Speak out)、「尊重しあおう」(Respect)、「アクティブに」(Be active)という3原則です。また、世界は危機にあり、私たちはこれまでの社会のあり方を変える必要があるが、若者は社会の中で積極的に何かを変えることができる存在であるとして「創造的であれ」(Be Creative)といった気持ちでこのキャンプに臨むことを確認しました。その後、環境問題の現状を認識するためにビデオ鑑賞をしたあと学生を4グループに分けて意見を出し合いながら環境問題の現状を分析しビジョン・マップをつくって整理し、午後には各国グループごとの事前課題の発表でお互いの国の自然エネルギー利用の現状を知ることができました。
8月3日(月) 3日目
午前 | 旧水田邸、林邸訪問 |
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お昼 | 大山千枚田 |
午後 | 東芝研修センターへ移動 シェアリング |
旧水田邸と林邸の2チームに分かれて行き、日本の古来からの廃棄物ゼロの生活と現代の持続可能な社会に向けて精神的な幸福論についてお話を伺いました。そして大山千枚田では棚田を見学し、保存会の活動についてのご説明を受けました。
旧水田邸 |
林邸 |
8月4日(火) 4日目
午前 | 東芝科学館訪問 |
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午後 | 東芝 磯子エンジニアリングセンター訪問 |
東芝科学館、東芝 磯子エンジニアリングセンターを訪れ、家庭電化製品、パソコンのルーツとなった機械や超伝導技術、最先端ゲーム機に使用されている技術などの見学をし、その後、東芝グループの紹介、CSR 活動の様子、環境ポリシーについて分かりやすくご説明をいただきました。
8月5日(水) 5日目
午前 | 各班分かれてインタビュー先へ |
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午後 | シェアリング |
新聞の編集班グループ3班に分かれて電車に乗りインタビュー先をそれぞれ訪問しました。ビジネスと政治班は中野にある環境エネルギー政策研究所の山下氏を訪れ、サイエンス&テクノロジー班は浜松町にある東芝本社ビルを訪れ有信氏から技術開発の観点からLCA(Life Cycle Analysis)すなわち技術を導入してから廃棄されるまでの流れを計算する方法のお話を伺いました。そしてライフスタイル班は鎌倉葉山でトランジションタウンの活動をしている吉田氏に活動の説明と現状についてお話を頂きインタビューをしました。
8月6日(気) 6日目
午前 | 成果発表会 |
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午後 | 東京ツアー(日本人高校生のアテンドによる自由時間) |
夜 | フェアウェルパーティ |
成果発表会
スライドショーでキャンプを振り返り、西室泰三 東芝国際交流財団理事長(東芝相談役)からのご挨拶をいただいたあと各班のキャンプの成果発表を行いました。その後、各参加校の先生方より今回のキャンプについてコメントをいただきました。
閉会式
東芝アメリカ財団のJ.アンダーソン氏と東芝タイ財団のコブカーン氏より閉会の辞ををいただきました。(以下スピーチ内容より抜粋です。)
誰もが使命を持って生まれました。そして、次の世代に渡す前に多くの役割を果たさなければなりません。学生の使命は、今可能な限り学ぶことです。そして皆さんは、より良い環境を創造する使命を持ち、いつでもそれを始めることができます。
このプログラムの提供者である東芝やビーグッドカフェがここまでやってきたのは、あることを信じて来たからです。それは、たとえあなたが世界は救いようがないと感じても、あなたの心の中に生まれたたった一つの光が、世界を照らす光になることです。
これで終わりではありません。ここから学んだことをあなたの周りの人々を分かち合ってください。あなた自身を信じ、すべての人々が持っている光を信じてください。
東京ツアー
閉会式終了後、日本人参加者の案内で新宿、渋谷、原宿、アメ横、浅草など小グループに分かれて思い思いの行きたい所を見学し、個々に新しい発見をしてきました。
8月7日(金) 7日目 最終日
早朝、タイ・アメリカ・ポーランドの参加者がバスで成田へ、バスが見えなくなるまで日本人参加者らは見送り、参加者は無事帰途につきキャンプは終了しました。