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エコビレッジ国際会議TOKYO2009 開催レポート

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持続可能な暮らし方であるエコビレッジをテーマとした国内唯一の国際会議、「エコビレッジ国際会議TOKYO」。第3回目となる本会議は、開催期間を2日間から3日間に拡大し、世界のエコビレッジムーブメントの火付け役を始め、アジアのキーパーソンや、日本各地でエコビレッジ的取り組みを始めている実践者など、総勢54団体59名以上のゲストが集結しました。

「エコビレッジ」というコミュニティモデルには、環境問題のみならず、食の安全、エネルギー、コミュニティの再生など、現代社会が直面する様々な問題に取り組む上でのヒントが詰まっており、近年、世界中で注目を集めています。本国際会議では、『「環境危機世紀 持続可能なコミュニティへの挑戦」~小さなアクションを大きなうねりへ~』を全体テーマに、ゲストと参加者、参加者間の交流を促進し、参加者が主体となって、より豊かで持続可能なライフスタイルを送るための具体的なヒントを得られる場になることを目的として開催しました。

ecovillage conference report

会期中は、海外からのスペシャルゲストの講演に加え、今回初の試みとして、「地域再生」「アート」「事業・起業」「経済」などのテーマ別に、ゲストや関係団体が分科会を開催。形式としても、従来のレクチャー形式に加え、ワークショップや交流カフェなど参加型の要素を取り入れ、来場者が主体的に楽しめる機会を増やすとともに、音楽ライブ、上映会、展示など、エコビレッジについて多面的に知ってもらうプログラムを展開しました。

名称 第3回エコビレッジ国際会議TOKYO The 3rd Ecovillage Conference Tokyo
URL http://begoodcafe.com/archive-bgc/ecvc2009
テーマ 『環境危機世紀 持続可能なコミュニティへの挑戦』 ~小さなアクションから大きなうねりへ~
日時 2009年4月24日(金)~26日(日)
会場 東京ウィメンズプラザ、国連大学、地球環境パートナーシッププラザ (東京都渋谷区)
主催 NPO法人ビーグッドカフェ
共催 NPO法人パーマカルチャー・センター・ジャパン(PCCJ)
協力 日本エコビレッジ推進プロジェクト、懐かしい未来ネットワーク、株式会社ビオシティ、国境なき通訳団、Global Ecovillage Network、greenz.jp (株式会社ビオピオ)、地球環境パートナーシッププラザ
協賛 東京建物株式会社、エコプロダクツ2009、株式会社野毛印刷社、アミタ株式会社、株式会社地球の芽
後援 国連人間居住計画、国連訓練調査研究所、日本大学生物資源科学部、21世紀社会デザイン研究学会、デンマーク大使館、福島県飯館村、毎日新聞社

開催データ

参加者数 約918名(3日間、延べ数)
登壇ゲスト 54団体 59名以上
メディア掲載 41媒体、掲載54回(2009年 6月19日時点)

主催者・共催者メッセージ

エコビレッジ国際会議を終えて

シキタ純 (NPO法人ビーグッドカフェ代表理事)

永く準備してきた第3回エコビレッジ国際会議TOKYOが無事に終了した。
私達としては「大成功」だったと言いたい。なぜ大成功?
終了したのち数日経ってから、友人の建築家がこう言っていた。「ある農家の方が国際会議に参加してとても感銘を受けたようで、自分の敷地に家を建てる人を募集して5〜6軒のエコハウスが並ぶエコビレッジを作ろうとしているそうですよ…」。嬉しい。こういったことがまさに起きて欲しかったのだ。エコビレッジは遠いどこかの荒唐無稽な話ではなく、その気になったらすぐに画策し始められることであるはずだ。この国ではどうもその気にならなかっただけの話だろう。また、数日経ってある人からメールが届いた。地方でエコビレッジ会議を開催するおつもりだという。あきらかに私達の国際会議に触発されたようで、企画がまんまそっくりであった。あまりに企画がそっくりだったのはいただけないが、実はうれしい。日本中のたくさんの人達が「もっと自由に楽しく暮らそう!」と思い始めてくれれば本当にうれしい。いままでの日本は市民が幸せになりにくい国だったと思う。政治や法制度、社会の慣習などが私達をしばっているのは事実だが、実は私達は自分で自分をしばっていたのではないか。発想の転換をして、大切な人生を大切な人と楽しく暮らしていく。それは困難なことではないはず。
エコビレッジ国際会議TOKYOは、そんなことの意思確認の場と成り始めていたのではないか。だから私は大成功と断言する。
最後に、国際会議を支えてくれた多くの人に心から感謝をします。皆様のお陰です。ありがとうございました。

第3回エコビレッジ国際会議を終えて

糸長浩司 (日本大学教授、NPO法人パーマカルチャー・センター・ジャパン代表理事)

3回目エコビレッジ国際会議TOKYOは深化・発展してきた。エコビレッジという生き方、暮らし方の世界的なチャレンジを紹介し・消化し、時には、青い鳥を海外に求めるような日本人特有の意識から離脱し、日本の地で、日本の人達とそしてアジアや世界の人達と同時に多発的に、GAIAN(ゲストのロスジャクソンが使用したガイヤという生きた地球に生きる人)として、新たな共的な生き方の道筋が見えた。滋賀のエコ村の飯田さんの「エコビレッジになっていく」という言葉は、成長することの喜びを示し、「緩いコミュニティから濃厚なコミュニティまでの幅を持ったエコビレッジリスト達のネットワークの構築」(3日目のフリートークの成果)、「エコビレッジには、エコロジー団地から意識的な共同体までの幅があり、その地域社会の変革と発展に寄与する行動」(韓国からのリムさん)の大切さを参加者のものとした。津波の後の復興集落を地方自治体とも協力してエコビレッジとして構築したスリランカのサルボダヤの若きリーダー・アリヤラトネさんの言葉「今、地球にゆっくりとした津波がおきている」。エコビレッジはその防波堤として地球・ガイヤに貢献する。