世界のエコビレッジ
・1962年から続くホリスティック教育:Findhorn(イギリス)
・政府承認、独自の社会制度や経済をもつ国際連合体:Damanhur(イタリア)
・ドイツ最大の非宗教的コミュニティ:Kommune-niederkaufungen(ドイツ)
・国際多文化をもつ世界最大級の環境実験都市:Auroville(インド)
・フィリピンに建設予定のパーマカルチャービレッジ:Pintig Cabiao Ecovillage(フィリピン)
・世界初(1988)のパーマカルチャーエコビレッジ:Crystal Waters(オーストラリア)
・1988年から夫婦が作り上げた美しいパーマカルチャーファーム:Rainbow Valley Farm(ニュージーランド)
・先駆者に続き注目されるパーマカルチャービレッジ:Otamatea Eco-Village(ニュージーランド)
・都市部における低所得者援助コミュニティー:L.A. Eco-Village(アメリカ/ロサンジェルス)
・コーハウジングから成るエコビレッジ:Ithaca(アメリカ/ニューヨーク)
・パーマカルチャーや多様性を尊重:EARTHAVEN(アメリカ/ノースカロライナ)
・世界の芸術家や社会運動家が集うコープラティブコミュニティ:Huehuecoyotl(メキシコ)
・アマゾン原生林で生態系と共存:ABRA144 [Amazonian Bio-Regional Village](ブラジル)
【関連文献】
* 西欧のエコビレッジ(PDFファイル)
* パーマカルチャー・エコビレッジ・バイオリージョナリズム(PDFファイル)
- 著:糸長浩司
- NPO法人パーマカルチャー・センター・ジャパン代表理事
- 日本大学教授(生物資源科学部生物環境工学科 建築・地域共生デザイン研究室)
フィンドフォーン財団
the Findhorn Foundation community
The Park, Findhorn, Forres IV36 3TZ, Moray,
Scotland, UK
Phone: +44 (0)1309 690311
Fax: +44 (0)1309 691301
http://www.findhorn.info/workshops/japanese/japanese_home.php
位置: イギリス、スコットランド北東部、ネス湖近隣
設立: 1962年
面積:
人口: 約320人
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自然と人との共存、人と人とのあり方やつながりを見つめ、活動の焦点をホリスティック教育においた国際色のある共同体。国連と連携しているNGO団体でもある。日常にしっかりと根ざしたスピリチュアリティーを大切にしながら、持続可能な社会づくりを探求、実践している場所。1962年に創設者のアイリーンとピーター・キャディ、ドロシー・マクリーンがこの地にたどりついて以来の長い歴史があり、現在も、教育を中心とした非営利財団として毎年世界70カ国以上の国から訪れる1万4千人を迎え入れている。
エコビレッジ・プロジェクトは1985年に開始され、その後、国連人間居住センターよりベストプラクティスに選ばれた。グローバル・エコビレッジ・ネットワークの設立メンバー組織のひとつでもある。
特徴
*コミュニティの1人当たりの環境負荷(エコロジカルフットプリント)は全英平均の約半分
*55棟のエコハウス
*太陽光温水システムが各住戸に普及
*4つの風力発電機をコミュニティ内に設置
*バクテリア分解による独自の排水処理システムを導入
*CSA(Community-Supported Agriculture)方式により近隣の有機野菜・食材を利用
*コミュニティ内に独自の銀行と地域通貨(EKO)
位置: 北イタリアのトリノから45キロメートル郊外のアルプスの麓
設立: 1975年
面積: 連合体に属するコミュニティは、バルキュウゼラ谷の25㎞以上の範囲に広がり、
およそ600ヘクタールを超える森や畑や酪農地、土地建物を独自に所有する。
人口: 約600人
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イタリア政府から承認された、世界最大のコミュニティ連合体という形態からなる新しい社会モデル。 “地球や人類全体に対してエコロジカルな理想社会”が実現され、世界が変わることを目指す。ここでいう“エコロジカルな社会”とは、より良い地球環境、調和的な人間関係、あらゆる生命体との調和的共存、異なった社会間交流と協働することを意味する。
ダマヌールの連合体を構成する、20以上のコミュニティで暮らす市民は約600人、世界20カ国にわたるサポーター市民を含めると、1,000人以上の市民が存在する。ここでは、人間個々が持つ“違い”という豊かさを尊重し、各自の成長の為に相互に助け合う関係、環境への尊厳、道徳、精神的価値の共有を基本に社会が成り立っている。
独自の社会、政治機構と憲法、独自の貨幣、80以上の経済活動とサービス、日刊新聞、連合体独自の保育園や小中学校、また世界中から訪れる様々な分野の研究者を対象とする公開大学を持つ。ここでの研究や社会的な実験の成果をより広い社会で生かしていくため、ボランティア活動等の長期にわたる地域社会への貢献を行ない、その実績が国際的にも認められ、2005年9月、国際連合から「グローバルな人間共同社会フォーラム2005」を受賞した。“夢が現実になった実例”として、世界中から年間60,000人以上の探求者たちが見学に訪れている。
施設の特徴
人類の神殿
- 地球を取り巻くエネルギーの河—シンクロニックラインが、地球上で最も多い4(大地のホール) 本交差する、非常にまれなエネルギースポットであり地下70mに建設された。
- 人類の神殿は、人間の創造性と歴史と知識の図書館であり、ダマヌールの人々による共有の芸術的傑作。ここはあらゆる人に開かれた、メディテーションの為の祈りの場所であり、精神的な探求の中心となる場所。水のホール、青の神殿、迷宮、鏡のホール、球体のホール、大地のホール、金属のホール等があり、現在もなお建設を継続中。
アヴァール
- 連合体全体で地球に優しいエネルギーを用いたライフスタイルの実現を目指す。
- 中でもアバールというコミュニティはヨーロッパ連合からエコロジカルなモデルハウス“グリーンハウス”として認可されている。ここでは自然エネルギーを使った、色々な代替エネルギー生産システムを有している。
学校
- ダマヌールのプライベートスクールの小中学校です。エコロジカルな教育をするエコスクールとしての認可を受けている。
Kommune-niederkaufungen(ニーダカウフンゲン 共同体)
Kirchweg 1 34260 Kaufungen
TEL: 49-(0)5605-80070
info@kommune-niederkaufungen.de
http://www.kommune-niederkaufungen.de
位置: ドイツカッセル市近郊、ニーダカウフンゲン村
設立: 1986年
面積: 4エーカー
人口: 75名
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1986年に設立されたニーダカウフンゲン共同体は、地元にあった大きな荘園の中心となっていた建物群を修復して始められた。1996年には村の近隣の農家を買い足し、今では非宗教的(かつ非スピリチュアル)なコミュニティとしては、ドイツで最も大きなものとなっている。
現代の消費主義的・競争主義的な社会のあり方への批判から、共同体的、非階層的、社会生態学的なモデルを生活のなかで実現することを目指している。コミュニティに関するすべての決定は住民によるコンセンサスによってなされ、資産もすべてコミュニティで共有されている。住民のグループによって運営される共同事業体には、有機農業・酪農から建築、共同食堂の運営、幼稚園、などがあり、生活のニーズの多くを満たしている。
2002年のカッセル大学による環境負荷の調査では、高断熱で効率のよい暖房を備えたパッシブソーラーによる共同住宅への集住、菜食中心の食生活、多くの食料の自給、生活の地域での自足による移動の少なさなどが、平均的なドイツの家庭に比べて大幅に環境負荷を低減させていると報告された。
Auroville
Aurelec,Auroville 605101
Tamil Nadu India
http://www.auroville.org
位置: インド南部 マドラスの南150km
設立: 1968年
面積: 2000ヘクタール
人口: 約1700名
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<環境実験都市>
オーロビルは、人類一致団結の実現を目指し設立された国際的コミュニティーである。
インドの偉大なる思想家ヨギ、そして革命指導指導者オーロビンドの考えに共鳴したモマザーモと呼ばる一人のフランス人により提唱され建設が始まった。開拓者達により不毛の地は緑の大地へと姿を変え、現在300万本以上の木が植えられ、オーロビルは世界で最も大きな国際多文化コミュティーとなった。1968年に始まって以来、このコミュニティーの指針として次の事柄が述べられている。
(オーロビル憲章より一部抜粋)
- オーロビルは誰の物でもない、人類全体の物である。
- オーロビルは生活の進歩的実験場であり、終わりなき教育の場である。
施設例
*ソーラーパネル発電(11000枚もの反射板を使ったソーラーボール)
*風力エネルギー、バイオマス
*パーマカルチャー農園
Pintig Cabiao Ecovillage (The Heartbeat of Nature in Cabiao)
ピンティグ カビアオ エコビレッジ
115 Kamuning Road, Quezon City Metro Manila 1103, Philippines
Phone: (632) 9201375 / 9200575
Fax: (632) 4112255
E-mail:doris@happyearth.info or clem@happyearth.info
http://www.happyearth.info/awards.php
位置: フィリピンの首都マニラから北に90kmのルソン島ヌエバエシハ州
設立: 建設は2008年第一四半期からはじまる予定。
面積: 4ヘクタール
人口: 12戸の居住スペースを予定
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同エコビレッジは、パーマカルチャーの理念とデザインを取り入れ、環境と共生した持続可能なライフスタイル、バイオリージョンの保護、地産地消による自給自足的な生活を送りたい人が集まるコミュニティを形成することを目的に設立。サステナブルな暮らしへのシフトが貧困問題の軽減につながるということと、亜熱帯の豊かな生態系へのインパクトを軽減することが重要課題。建設費として、6ヶ月間の助成金、内部資金及び社会的開発事業からの資金提供を予定。
特徴
・ 作物の生産と植林。
・ 建築はエコロジカル且つ洪水や干ばつなどの状況に対応できるように工夫。(発展途上国やローカルな世界においても地球の気候変動によって起こる環境危機を乗り越えられるということを実証することが目的。)
・ 小規模の再生可能エネルギーサイトの構築。
・ フェアトレードコーヒーなどを通して住民に安定した生活を保証
・ インターネットをベースにビジネスを展開し長期的には地域通貨の導入も検討されている。
同エコビレッジは、下記3つの団体により設立される。
1. 環境NPO Happy Earth
持続可能な暮らし方を通して環境教育の普及を図る団体。グローバルエコビレッジネットワークオセアニア・アジア(GENOA)のフィリピンコーディネーターとして、居住と学習を兼ね備えたセンターを設立予定。
2.カボキッド(Cabiokid )財団
カビアオに5.5ヘクタールの開発地を保有し、そこでパーマカルチャーの理念に則った農園の開発を予定。パーマカルチャーの概念を教育、科学、技術や地域経済などの異なるフィールドに活用した事例研究も予定。
3.Center of Ecozoic Living and Learning
環境、社会問題の深刻化する中で、我々がとるべき行動を示唆するビジョン、地球や生命というものの新しい捉えかたを広め、精神的な支えとなるための活動を展開。
Crystal Waters
Crystal Waters Permaculture Village
65 Kikcoy Lane Conondale,Qld, 4552
Australia
Phone: +61 7 5494 4652
Fax: +61 7 5494 4653
http://www.ecologicalsolutions.com.au/crystalwaters
位置: オーストラリア東海岸、北東部クイーンズランド州
設立: 1988年
面積: 260ヘクタール
人口: 約200名(住戸数 83戸)
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クリスタル・ウォーターズは世界で最初のパーマカルチャーの手法に基づいてできたエコビレッジである。
敷地は居住者の所有地だが、来訪者向けの宿泊施設、キャンプエリアに滞在することができ、パーマカルチャーを学びたい人のためのコースも開設されている。
1996年には国連より、「最も持続可能で環境負荷の少ないライフスタイルを実践している者」に贈られるWorld Habitat Award (ワールド・ハビタット・アワード)を受賞。
施設例
*建築のデザインの工夫で自然エネルギーを利用するパッシブソーラーハウスや圧縮した藁を利用したストロー・ベイル・ハウス等様々なエコハウスの実験がされている。
*ソーラー発電
*パーマカルチャー農園
*各家庭に雨水タンクが設置され再利用している世界で最初のパーマカルチャーエコビレッジ
Rainbow Valley Farm
588 Matakana Valley Road, R.D.5 Warkworth, New Zealand
TEL: +64 (0)9-422-7432
http://www.rainbowvalleyfarm.co.nz/
位置: ニュージーランド・北島北、マタカナ
設立: 1988年
面積: 21ha
人口: 2名
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photo: (c) Masayoshi Miyashita |
ジョー・ポラッシャーとトリッシュ・アレン夫妻により設立。ニュージーランド北島、オークランドからさらに北のマタカナにあります。パーマカルチャーの良いモデル農場。持続可能な生活を実践し、啓蒙している。WWOOFの農場の中でも、特に人気の高いファーム。セルフビルドのパッシブソーラーの家はすばらしく、農場全体も美しい。オープンデーやWWOOFを通じて、パーマカルチャーの教育・普及の活動もしている。
特徴
*パーマカルチャー・バイオダイナミック農法の実践モデル農場
*パーマカルチャーの啓蒙・普及活動
*セルフビルドのパッシブソーラーの草屋根エコハウス
*フローフォームや池による排水浄化システム
*NZの原生の植物・樹木の再生
*ユニークなコンポストトイレやチキンホットハウス
Otamatea Eco-Village
Oneriri Road RD2 Kaiwaka, New Zealand
TEL: +64 (0)9-431-2656
http://www.otamatea.org.nz
位置: ニュージーランド・北島北、カイワカ
設立: 1995年
面積: 102ha
人口: 15世帯(約30名)
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photo: (c) Masayoshi Miyashita |
1995年にリンとラインホルト夫妻を中心に始められた、パーマカルチャーでデザインされたエコビレッジ。オークランドから北へ高速で2時間程の所にある。設立から10年を過ぎ、農園やエコハウスも充実してきている。レインボーバレーファームやコアンガガーデンと一緒にオープンデーを設けたり、グリーン・マーケットを開いたりと地域の活動にも積極的なコミュニティ。
特徴
*パーマカルチャーでデザインされたエコビレッジ
*セルフビルドのエコ建築(草屋根やストローベイル・土壁など)
*電力を引かずに、風力や太陽光発電などのエネルギーを利用
*パーマカルチャーデザインコースやワークショップの定期開催
*NZの原生植物や樹木の再生
*WWOOFのホスト
L.A. Eco-Village
117 Bimini Place #221
Los Angeles, CA 90004 USA
Phone: 1-213-738-1254
Fax: 1-213-386-8873
http://www.laecovillage.org
位置: アメリカ ロサンジェルス
設立: 1993年
面積: 11エーカー
人口: 500名
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<都市部における低所得者援助コミュニティー>
ロサンゼルスエコビレッジ(以下LAEV)は都市部における低所得者層の生活保護を目的として CRSP(Cooperative Resourcces and Services Project)の資金援助により設立される。
LAEVでは、環境負荷を少なくし、生活のクオリティーをあげ、社会的、経済的、エコ的なコミュニティー形成に努めている。13棟のアパートメントに164世帯が暮らし、20ほどの異なる民族が共生するその空間には、教会から自動車整備工場まで数々の施設が用意されている。 パーマカルチャーの考え方を取り入れた都市生活を目指し、コミュニティーワークへの参加、コミュニティーディナーでの食事など、住民は日々、学び、働き、知識を蓄え、エコビレッジの考え方を広めるべく生活している。
Ithaca
100 Rachel Carson way, Ithaca, NY 14850
Phone: 1-607-256-0000
http://www.ecovillage.ithaca.ny.us
位置: アメリカ ニューヨーク イサカ市西部
設立: 1997年
面積: 176エーカー
人口: 160名
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写真提供: 設楽清和(PCCJ)
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<コーハウジングから成るエコビレッジ>
運営は非営利団体であるEcovillage INc.が行っている。現在建物の整備が終了している居住区は2つあり それぞれ30戸がcohousing(コーハウンジング)方式で、建設運営されている。基本的にはパーマカルチャーを基本にデザイン されており、10エーカーの農地や70エーカーに及び森林保護区などもある。
1990年からエコビレッジ建設が検討され、その後多くの会議や検討が行われ、デザインのプロセスを経た後 1995年に市の建設認可が下りて1996年より建築にはいる。1997年に最初の居住区(FROG)が完成し 2003年には2つ目の居住区(SONG)、2005年にはSONGのコミュニティハウスが完成。今後も居住区は拡大する予定。現在はパーマカルチャーのコースの開催やエコビレッジの建設の仕方などを教える教育事業に力を入れている。居住者の年齢層は0〜80歳。様々な州からの移住者が暮らす。
施設例
*住居は、基本的には2〜数家庭が入るタウンハウス形式の集合住宅が各クラスターに数戸建設される
*パッシブソーラー形式の住居。住宅の南面は採光のためにペアグラスを用いた大きな窓が設置されている
*自然素材や地域産材の利用
資料提供: 設楽清和(PCCJ)
EARTHAVEN
1025 Camp Elliott Rd., Black Mountain, NC 28711
828-669-3937
information@earthaven.org
http://www.earthaven.org/contact.php
位置: アメリカ、北カロライナ州の西部にあるアシュビルから東南に40分。
標高約610〜793メートル
設立: 1994年
面積: 1.295平方キロメートル
人口: 50人
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住人はホリスティックで持続可能な文化を学び、実践することで人と地球を大事にしている。
辺りの植林された山々は3つの谷が合流していて、沢山の小川、泉・湧水、はんらん原、bottom land, steeper ridge slopesに恵まれている。
目標は人口が150人になること。2004年にはメンバーが60人に達し、そのうち50人が現地に住むようになった。パーマカルチャーデザインに基づいた住宅地、コンパクトなビジネスエリア、そして果樹園、庭や、湿地帯がある。
エコビレッジのほとんどはまだ建設中だ。現在は基盤となる設備として、道路、歩道、橋、キャンプエリア、池、人口湿地、新エネルギー電力システム、庭、大きな会議室、キッチン・ダイニング、住居施設と、家が建てられている。
コミュニティーは全員一致の決断方法や、協議会と委員制度を取り入れている。エコビレッジは土地の所有権を持っていて、住人がローンを組むことによって賄われた。そのローンは住人が宅地をコミュニティーから借りることによって払われている。
Earthavenでは、持続可能な環境システム、パーマカルチャーデザイン、洗練された簡素さ、正しい暮らし、そして健全な社交関係を大切にしている。その上、スピリチュアルに多様である。菜食主義者もいれば、何でも食べる人もいる。家畜を育てる人々もいる。
彼らは環境に優しい小規模な商売を営んでいる。売店とインターネットカフェ、パーマカルチャー用の苗床、太陽光システム導入の他、パーマカルチャーデザインや新しいエコビレッジの立ち上げについてのコンサルティングや講習を行っている。
施設例
*太陽光システム
*パーマカルチャー農園
Huehuecoyotl
APARTADO 111 TEPOZTLAN, MORELOS 62520, MEXICO
Tel伺onos: (739) 395-5077
giovanni@ecovillage.org
http://www.huehuecoyotl.net
位置: メキシコ モレロス州テポストラン
設立: 1982年
面積:
人口: 20人
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photo: Giovanni Ciarlo |
Huehuecoyotlはモレロス(メキシコ)州のOcotitlan村に近いAjusco-Chichinautzin Biological Corridor(生態系保護区)内のTepozteco山脈に位置する意図的な(インテンショナル)コミュニティー、及びエコビレッジである。標高1829メートルの二つの生態系(エコシステム)、高い松とオークの森林と低い落葉性のジャングル、が合流する地点にあり、自然の豊かさに満ち溢れている。Huehueは1982年に各国の芸術家や社会運動家が集まり、「エコロジーは芸術」という哲学的概念を主張し創設された。Huehuecoyotlのメンバーは、彼らのエコビレッジが社会的、精神的、経済的、そして環境の面で持続可能な生活のモデルになることを望んでいる。コーポラティブハウジング、都会と田舎での農業やエコツーリズムなどを通して、持続可能な生活を推進している。(Ecovillage Network of Mexico and Mesoamericaと1998年からENAのメンバーである。)
環境保全への義務
HueHueの人々は様々な形で地球に順応し、主に環境負荷を抑える決意を示す。環境保全に向けて様々な取り組みをしている。後に地域の再利用センターに運ぶ無機物質(非有機的な物質)の分離、全ての有機廃物のコンポスト化、そして8ヶ月間に渡る乾期に向けて雨水を集め、溜め、ろ過し、分配して再利用している。これは雨水を近くの山の滝で集め、ろ過した後、重力で(ポンプを使わずに)各世帯に分配し、残りを敷地内で最も高い地点にある4000立方メートルの貯水タンクに溜めるシステムになっている。このシステムで集めた水は、庭や畑、家事、そして紫外線、またはオゾンフィルターを通して飲み水としても活用される。水のサイクルを完全なものにするために、家事などで使用済みの水を庭の木などガーデニングに使う。さらに、水洗式トイレを使用しないことで、水の削減と肥料作りに役立てている。
Huehuecoyotlは広大な庭を化学肥料や殺虫剤を使用せずに育てている。よって、全てのメンバーが豊富な緑と薬草を与えられている。その上、建物は全て近隣の自然素材を使い、建てる際には環境に優しい技術を用いている。材料は圧縮された土、穂軸、編み枝と漆喰(塗料)、わら、日干しれんがや石などを使う。それらに加え、念入りに窓や天窓の配置箇所を計画することによって、人工的な温度調節が不要となる。
コミュニティー経済
Huehuecoyotlメンバーはコーポラティブ方式で生活し、土地は20人のメンバーで共有し、各自分配された敷地に家を所有することで分譲集合住宅が成り立っている。それぞれ月々の家賃を払い、コモンスペース(共有スペース)はメンバーが主催するイベントやワークショップに使われている。収益はコミュニティー改善や拡大に使われる。
その内、El Teatroでは様々な文化的、社交的、芸術的イベントが行われ、エコビレッジ住民以外の人々も参加する。さらに、パーマカルチャー、エコビレッジ・デザイン、自然医学、新エネルギー、ダンス、演劇、リーダーシップや精神性についてのワークショップや講習会が行われている。
コミュニティーの精神性と祭り・行事
Huehuecoyotlでは、季節の移り変わりや、満月などの自然のサイクルを祝う。メキシコのスピリチュアル・リーダーの案内のもと、物や自然との精神的な繋がりを深める伝統的な儀式、祭式、なども行っている。国際的に有名なグループなどのコンサート活動が行われるときもある。これらは公開の行事であり、エコビレッジメンバーが近隣住民や同じ思想を持つ人々と親睦を深め、コミュニティーを広げる機会でもある。
新エネルギー
環境への付加を低減するにあたり、Huehuecoyotlが取る一つの手段は水力と太陽光による新エネルギーシステムの導入だ。1999年に建てられた家のデザインは、エネルギーと水の使用を能率的に削減していると考えられた。太陽光では一年分の電力を発電し、その熱を暖房にも取り入れている。太陽エネルギーで水を沸かし、400リットルタンクに溜められ、シャワーや家事に用いている。また、その熱をオーブンにも活用し、150度にも達するため、豆などを調理している。
国が供給する電力を利用できるにもかかわらず、Huehueはそれに頼らず、太陽光発電システムで12モジュール、75ワット、一時間に2から3キロワットの電力を一年中供給している。継続的に作られている電力は、蛍光灯から始め、省エネ家庭電気機器が必要とする電力を負担している。溜めた電力は4日間連続の曇り日にも持続する。
ABRA144 (Amazonian Bio-Regional Village)
位置: ブラジル、Manausの北144km
設立: 2001年
面積: 270ヘクタール
人口: 11人
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photo: Giovanni Ciarlo |
ABRAとは、Amazonian Bio-Regional Village、つまりアマゾンの地域生態系の中の村といった意味である。270ヘクタールに及ぶ土地の90%は手付かずの原生林であり、民間による保護地としてはこの地域で最も広大なものとなっている。ABRA144はアマゾン地域全体で実践できる持続可能な生活様式を学ぶことができるような、メ学習のためのコミュニティモを構築することを目指し、その基本理念はBioregionalism(生命地域主義)によっている。
現在は、11人のメンバーが環境教育、養蜂、自然建築、有機農業、地域生態学、エコツーリズムなどの活動に携わっている。住居や活動のためのワークショップ建設の費用はコミュニティによって支出され、それらはコミュニティの資産となる。また各メンバーの活動による収入の一部はコミュニティに寄付され、電力、道路、共用スペース、インターネットなどインフラの整備に当てられている。