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クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2008 開催レポート

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2008 開催レポート

1日目2日目3日目4日目

こちらでもキャンプの様子をご報告しています。ぜひご覧ください。
クボタ地球小屋レポート(株式会社クボタ制作)
 

■ 7月22日(1日目) 晴れ

小学4~6年生の参加者たち21人が、親元を離れ、3泊4日のクボタ地球小屋がいよいよ始まります。大きなリュックに、旅の支度とワクワクとちょっぴりの不安を詰め込んで、新宿駅に集合しました。ここから北アルプスの山々に抱かれた長野県安曇野市まで向かいます。

クボタ地球小屋2008 レポート 1日目

オリエンテーション
宿に着いたら、まずはオリエンテーション。校長の「ドン・ガバチョ」から挨拶があります。キャンプ中はみんな自分で考えた「キャンプネーム」で呼び合います。みんなで挨拶したあとは、ゲームをしました。早速みんなの笑顔がこぼれます。ゲームの後は、インタープリターの先生からウルシやスズメバチなど気をつけなくてはいけないことも学びました。

クボタ地球小屋2008 レポート 1日目クボタ地球小屋2008 レポート 1日目

夕ごはん
交代でお風呂に入ったら、お待ちかねの夕ごはん。
シャロムヒュッテのごはんは、肉や魚、乳製品などを使わないベジタリアン・メニュー。砂糖なども使わないマクロビオティックの考え方で作られています。穀物や野菜だけでこんな味になることに驚いた子も多かったようです。

クボタ地球小屋2008 レポート 1日目クボタ地球小屋2008 レポート 1日目

ナイト・ウォーク
ちょっと休憩してから、ナイト・ウォークに出かけます。
森の入口に、シーツにブラックライトを当てて虫が集まるようにした「ライトトラップ」を仕掛けて出発です。暗い夜道や森の中を、懐中電灯を消して、ケモノや虫の声に耳を澄まし、五感を研ぎ澄まして歩いていきます。

今度は、畑の間の草むらに寝転んで、星を眺めます。明かりが煌々と灯る都会ではなかなか見えない星もきれいに見えます。「あっ、流れ星!」。戻ってきてから、ライトトラップに集まった昆虫たちを観察して、1日目のプログラムは終了です。

クボタ地球小屋2008 レポート 1日目

■ 7月23日(2日目) 晴れ

モーニング・ウォーク
朝は6:00に起きて、6:30からモーニング・ウォークです。昨夜、はしゃぎすぎて寝られなかった子は、ちょっと眠たそう。今日は午後から「花炭」を作るので、それぞれ自分が炭にしてみたいものを拾って歩きます。途中、クボタのやまさきさんから、カブトムシなど虫の話も聞きました。

朝ごはん
朝ごはんは、バイキング形式。順番に並んで、好きなものを好きなだけ取って好きな場所で食べます。

クボタ地球小屋2008 レポート 2日目クボタ地球小屋2008 レポート 1日目

自然の循環教室(1) 畑の循環を学ぼう
しっかり腹ごしらえをしたら、自然農の畑に出ます。堆肥づくりや土づくりのことを学んで、いよいよ収穫。季節の野菜がたくさん採れました。

クボタ地球小屋2008 レポート 2日目

昼ごはん
畑から戻ったら、採ってきた野菜を使ってみんなで昼ごはんを作ります。
洗ってから、下ごしらえ。

メニューはこんな感じになりました。
・朝どり野菜のサラダ
・ふかしたジャガイモ 豆乳マーガリン添え
・竹に巻きつけた焚き火パン
・野菜たっぷりほうとう みんなで延ばしたいろんな形の麺入り

クボタ地球小屋2008 レポート 2日目クボタ地球小屋2008 レポート 2日目

自然の循環教室(2) 森の循環を学ぼう ~前半~
ちょっと休憩してから、今度は午後のプログラム。みんなで木を1本伐採して、丸太にし、薪割りして、火を起こす、という一連の流れを全部やってしまおうという欲ばりな教室です。安全な作業の仕方を教わり、ちゃんとヘルメットをかぶります。

インタープリターの先生と今日伐る(きる)木を決めたら、まずはノコギリで慎重に切り込みを入れていきます。今度は切り込みの逆側からノコギリを入れ、木にかけたロープをみんなで引っ張ります。メリメリと大きな音を立てて、木が倒れました!
木が倒れたら、枝を落として、短い丸太をつくり、いよいよ薪割り。1人が斧を当てて、もう1人がカケヤで斧を叩いて割っていきます。ここまで終わったら、水で冷やしたスイカを食べて、ちょっと休憩です。

クボタ地球小屋2008 レポート 2日目クボタ地球小屋2008 レポート 2日目
クボタ地球小屋2008 レポート 2日目クボタ地球小屋2008 レポート 2日目

自然の循環教室(2) 森の循環を学ぼう ~前半~
冷たいスイカで生き返ったら、今度は火を起こします。
といっても、ライターやマッチは使いません。木の棒と木の板をこすり合わせて、摩擦熱でできた「火の赤ちゃん」を育てるという、無人島生活のような火起こしに挑戦です。

木の棒を押さえる人、両側から弓のような道具を引く人、かけ声をかける人。それぞれ協力して、最後にはどのチームも火をつけることができました。
みんなの思いのこもった火をまとめて1つにして大きな火にし、これでドラム缶風呂を沸かします。焚き火には今朝集めた花炭の材料も入れました。

クボタ地球小屋2008 レポート 2日目クボタ地球小屋2008 レポート 2日目

夕ご飯を食べたら、待望のいつもとはちょっと違うお風呂へ。薪でお湯をわかした五右衛門風呂です。

クボタ地球小屋2008 レポート 2日目クボタ地球小屋2008 レポート 2日目

■ 7月24日(3日目) 晴れ

モーニング・ウォーク
みんな昨日はぐっすり眠って、爽快なお目覚めです。
アルプスの山々を背に、お日さまに向かって「わー」と大声を上げます。昨日作った花炭もみんなで確認。まつぼっくりの炭も上手にできました。

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

おコメの教室(2)
今日は一日かけて、おコメについて学びます。最初にクボタのいぬいさんから、田んぼの役割や日本の田んぼの現状を学んだあと、みんなでおにぎりづくり。自分たちでといだお米をお釜にいれたら、火打石とキノコ炭でカマドに火をつけます。ご飯の火加減は「始めチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもフタ取るな」。待つこと数十分、焦げずにふっくらとしたおいしいご飯が炊けました。大成功です。
少し冷ましたら、マル、サンカク、シカク、思い思いの形に握ります。天然塩と海苔だけのシンプルなおにぎり。握ったおにぎりは、炊いている最中に採ってきた桑の葉で大事に包みます。

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

おにぎりが完成したら、田んぼに出かけます。あぜ道の水路に足を浸しながらお昼ごはんを満喫した後は、いよいよ田んぼ体験。有機農家の藤澤さんから、有機農法やアイガモ農法について話を聞いて、田んぼの草むしりと、アイガモを他の田んぼに移し替える作業をしました。裸足で泥の中に入ると土の暖かさが伝わってきます。

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目クボタ地球小屋2008 レポート 3日目
クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

夕ごはん
夕ごはんには、毎食デザートがつきます。メロンと豆乳のアイスには、かわいいクマと星のクッキーが乗っていました。

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

キャンプファイヤー
最後の夜を飾るキャンプファイヤーは、神秘的に始まりました。
インタープリターの先生が、森の神様に祈りをささげて土笛を吹いてから、木の棒を手で回して木をこすり合わせ、火をつけます。生まれた火に、1人1本ずつ薪をくべて火を大きくしたら、みんなでゲームをしたり、今の気持ちを話しあったりしました。

クボタ地球小屋2008 レポート 3日目

■ 7月25日(4日目) 晴れときどき曇り

モーニング・ウォーク
今日一日の予定を聞いてから、森の精気を吸い込みながらストレッチ。散歩の後は、畑に出て、自宅へのお土産にする大麦を刈ります。

クボタ地球小屋2008 レポート 4日目

ふりかえり
最後の朝ご飯をモリモリ食べたら、それぞれのお気に入りの場所でキャンプの想い出を描いて発表します。発表が終わったらお土産づくり。メッセージを書いた紙に、大麦の穂や蕎麦の実を包んで、かわいく飾りつけます。
発表が終わったら、最後のお昼ごはん。自分でピザ生地を延ばしてトッピングし、シャロム自慢の石釜で焼いていただきます。

クボタ地球小屋2008 レポート 4日目クボタ地球小屋2008 レポート 4日目
クボタ地球小屋2008 レポート 4日目クボタ地球小屋2008 レポート 4日目

修了式
さあ、3泊4日のプログラムも全て終わり、修了式です。
みんながんばったので、ドン・ガバチョからそれぞれチャンピオンの称号が与えられます。
笑顔チャンピオン、お料理チャンピオン、アイガモチャンピオン、おかわりチャンピオン……。思わぬチャンピオンになって、照れ笑いがこぼれます。休憩時間に花摘みに夢中になっているかと思ったら、こども達からスタッフやインタープリテーションの先生へ花束の贈りものもありました。

クボタ地球小屋2008 レポート 4日目クボタ地球小屋2008 レポート 4日目

この4日間という短い期間で、キラキラとした笑顔でたくさんのことを感じ、吸収してくれたこどもたち。心なしか出逢った頃よりぐっとたくましく見えます。
最後は毎日お風呂の準備やおいしいごはんを用意してくださったスタッフも含め、全員で記念撮影。名残惜しいけど、それぞれの輝く未来に向って出発です!

クボタ地球小屋2008 レポート 4日目クボタ地球小屋2008 レポート 4日目

クボタ地球小屋2008 レポート 4日目

アースデイ東京2008特別企画 プラネットフューチャー レポート

Earthday Tokyo 2008 プラネット・フューチャー
アースデイ当日の4月22日、青山の国連大学にて特別企画「プラネット・フューチャー」を開催しました。平日にもかかわらず、たくさんの方がつめかけてくださり、夏の洞爺湖サミットに向けて、地球の現況を知り共に考えることができました。
ご関係者のみなさま、ご協力ありがとうございました!


第一部 ナショナル ジオグラフィック チャンネル 環境映像祭
第一部では、ナショナルジオグラフィック提供による環境映像を4本上映。来場者の方々も貴重な映像の数々に見入っていました。

『地球環境レポート2008』
近年問題にあがっている環境問題を広く全般的にレポート。二酸化炭素の排出をどのように削減していくのか、絶滅危機動物の保護など生物多様性をどのように維持していくのか、各国政府や市民による対策や取り組みの紹介がされました。

『野生の楽園:ブータン 最後の理想郷』
ブータンの自然や生物、人々について、尊さをもってまとめられた映像。美しい大自然の中で生きる動物や人々の生活、移動、食物連鎖など自然の循環が描かれており、本来あるべき地球環境の姿がうかがえました。

『クジラたちの唄』
「唄」とも表現されるクジラの鳴き声。人間同様に知能が高いといわれるクジラの生態と、世界中で行われている捕鯨禁止を求める運動が紹介されました。日本でも度々ニュースで取り上げられる捕鯨の問題。クジラが捕獲・解体される映像も含まれており、来場者の心にも強く残ったようでした。

『6℃が世界を変える』
地球規模の温暖化がこのまま進むとどうなってしまうのか。極地の氷がとけ、生態系のバランスが崩壊し、現存する生物が死滅してしまう可能性や、最近頻発している温暖化による異常気象(欧州の熱波やハリケーンなど)など人間に対しても直接的な被害がでていくことなどをシミュレーション映像とともに紹介。熱波により植物が光合成に異常をきたし、酸素を放出せず二酸化炭素ばかりを放出するようになってしまうという驚きの情報もありました。

第二部 洞爺湖サミットに向けて私たちができること

(1)トークセッション
「G8北海道洞爺湖サミットに向けたNGOの提言とキャンペーン」


G8サミットNGOフォーラムの各ユニットよりゲストスピーカーが登場。同時期に開催される、先住民族サミットの実行委員も参加し、サミットの注目点や各テーマの現状を訴えました。

○ 環境ユニット:森田明彦さん
洞爺湖サミットに向けて、市民の意見を強く反映させるべく結成された、G8サミットNGOフォーラム。現在は、環境・開発・人権に関する125団体が集まってさまざまな啓蒙活動や政府との対話を続けています。
森田さんが所属されている環境ユニットでは、洞爺湖サミットにおいて、地球温暖化とアフリカの開発問題が議題の中心になると推測。地球温暖化についてはその影響を気候変動、生物多様性、人間の健康への被害などの点から述べ、3R(リデュース・リユース・リサイクル)政策の推進を主張されました。また、二酸化炭素の排出量についても、産業発展を遂げている中国やインドと並んでG8諸国の責任が問われるべき。未だ達成されない京都議定書での温室効果ガス削減目標も含め、今後とも不断の努力を続けていくべきだとのご意見を伺いました。

○ 貧困・開発ユニット:岩附由香さん
貧困・開発ユニットは「すべての人に保険サービスを」、「すべての子供を学校へ」をテーマに、アメリカでの医療問題などを取り上げ、貧しい人も医療を受けられるような保険サービスを各国で徹底させることを主張。また、世界では7,200万人の子供が学校に行けていない現状を述べ、各国が教育のための資金を確保すること、決められた額のODAを出して助け合うこと、アフリカの債務を削減することなどを訴えました。
NGOフォーラムでは、サミットが7月7日に始まることから、短冊にこれからの世界への願いを綴ってサミットへ届ける「100万人のたんざくアクション」というキャンペーンを展開しており、来場者でもできるアクションの一つとして紹介されました。

○ 人権・平和ユニット:高橋清貴さん
環境や開発の問題と連動してますます悪化している平和と人権の問題。すべての人々が平和に生きる権利を実現することを目指す人権・平和ユニットでは、G8諸国がもっている莫大な軍事費を貧困、環境対策に回すこと、対テロの名の下に人権侵害や過剰な報道規制で表現の自由を奪わないこと。また、イラクの現状を例に、各国が戦争に加担した責任を問い直すことなどを提案していくことをお話しされました。

○「先住民族サミット」実行委員会:酒田ミナさん
アイヌ民族をはじめ世界各地の先住民族を招いて開催される先住民族サミットでは、マウコピリカ(アイヌ語で幸せになる)を標語として掲げ、環境、教育、人権などの問題について集めた提言をG8に提出することを目指しています。現在、チベットで起きている民族問題についても触れ、「環境が壊れるより前に、人と人との関係が壊れる」と、先住民族の言語、文化、誇りを守っていくことの重要性を訴えました。

(2)アンニャ・ライト ミニライヴ

環境活動家で、2児の母でもあるアンニャ・ライトさんによるミニライヴ。1990年に「NGOナマケモノ倶楽部」をスタートし、スローライフを実践するアンニャさん。やさしく、でも心にしっかりと響くアンニャさんの歌声にしばし耳を傾けました。

(3)「アースキャラバン2008」からの現地レポート

洞爺湖サミットに向けて、NGOフォーラムの他にも様々なアクションが始まっています。今回は沖縄から洞爺湖までを結ぶ「アースキャラバン2008」の高橋素晴さんと電話中継を実施。キャラバンで移動しながら、各地で子供向けの環境学校ワークショップを開催している高橋さん。6月には関東圏に到着予定です。

(4)トークセッション「洞爺湖サミットまで77日。私たちができること」

NGOフォーラムの森田さん、岩附さん、高橋さん、ステキなライヴを披露してくださったアンニャさんに加えて、明治学院大学教授でスローライフ、GNHなどユニークなキーワードで知られる辻信一さんをお迎えしてトークセッションを行いました。
国の豊かさを図る数値をGNP(Gross National Product)からGNH(Gross National Happiness)に切り替えていくことや、そのために世界の幸福を増進するための政治学やビジネスがあってしかるべき、など限られた時間の中でいろいろな意見がでました。
環境問題も貧困問題も人権問題も地球全体の問題です。今こそ今日に至るまでのその原因を問い直し、G8諸国だけで世界の命運を決めず、世界中の市民の声を反映させていかなければいけません。
これからも、それぞれが本当の豊かさや幸せを常に問い直し、アースデイが終わってもサミットが終わっても、持続可能な地球について考え、行動し続けていきましょう!

会場展示ブース

会場ロビーでも、G8サミットNGOフォーラムによる「100万人のたんざくアクション」や「もったいないばあさん」など、複数の展示を行い来場者の注目を集めていました。

094 エコビレッジ国際会議

BeGood Cafe Tokyo Vol.95

『エコビレッジ国際会議TOKYO2006』

2006年10月28日(土) 29日(日)

エコビレッジ国際会議TOKYO2006

エコビレッジ国際会議TOKYO2006
エコビレッジ国際会議TOKYO2006

エコビレッジ国際会議TOKYO 2006

世界で広がる持続可能なライフスタイルモデル

2006年10月28(土)・29(日)、ついに日本で第1回エコビレッジ国際会議が開催されました。前売りチケットは完売。会場では休憩時間も参加者同士の話が弾み、主催側にも皆さんの関心の高さがひしひしと伝わってきました。

今回は日本で初めての国際会議。講演者として海外から4人のスペシャルゲストが駆けつけてくれました。

それぞれ特徴的な取り組みを続けるマルチ・ミューラーさん、マックス・リンデガーさん、ルイス・アーキンさん、リズ・ウォーカーさんの4人。そして日本で活動を続ける7組を加えた講演。
各団体の取り組みに、会場は大いに盛り上がりました。

以下に2日間の講演の概要を紹介!

→ ゲストプロフィール詳細


Ecovillage Conference Tokyo 2006 English Report
(PDF file)


エコビレッジ国際会議2006 レポート

エコビレッジ国際会議TOKYO2006 1日目の会場は東京ウィメンズプラザホール。テーマは「世界のエコビレッジ 奇跡と未来」。講演のトップバッターは日本大学生物資源科学部教授でパーマカルチャーセンタージャパン代表の、糸長浩司さん。糸長さんからは「持続循環型社会構築のためのエコビレッジの意義と可能性」と題して、エコビレッッジの概要が紹介された。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 エコビレッジ国際会議TOKYO2006 オーストラリアでパーマカルチャーエコビレッジ「クリスタルウォーターズ」を創設し、25年間に渡りその活動に従事してきたマックス・リンデガーさん。「クリスタルウォーターズ敷地のデザインでは道路幅なども、パーマカルチャーの理念に基づき、自然への付加を極力小さくするようにデザインされている。敷地内でカンガルーも生活しているほど自然は豊かで、人間と共生しているそうだ。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 ルイス・アーキンさんはロスアンゼルスに住みながら、車を持たずに生活している。住んでいる地域に喘息の子供たちが多いことを知ったことから、車を使わない町づくりに取り組み始め、ロスアンゼルスエコビレッジを創設したそうだ。

都市での生活を見直しつつ、自然との共生を目指したその取り組みは、州政府からも認められ、2006年カリフォルニア州ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

エコビレッジ国際会議TOKYO2006 同じくアメリカ、N.Y.近郊のイサカにエコビレッジを創設したリズ・ウォーカーさんは1990年から環境問題や湾岸戦争反対の運動に関わってきた。
仲間とともに立ち上げたイサカエコビレッジは、都市近郊にありながら、パーマカルチャーに基づいたデザインで、敷地には10エーカーの農地や約70エーカーの森林保護地区も含まれている。現在は2つの居住区があり、住民の自主的な活動でコミュニティ運営されており、パーマカルチャーの講座を開催するなど活発な活動が続けられている。現在も拡大の予定を持ち、今後の活動が注目を集めている。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 またエコロジーをテーマに情報を発信しているwebサイト、「greenz」でも紹介されている『Bio-City』編集長の杉田博樹さんからは、『Bio-City』の創刊時の様子や、今まで取りあげてきた事例などが紹介された。創刊時はパーマカルチャーを知る人も少なく、海外のエコビレッジに滞在した人から「日本にこんな雑誌があったのか」と驚かれることもあったとか。現在のパーマカルチャーの広まりを誇らしく感じているそうだ。

2日目はbegood cafeのホームとも言える代官山ボールルームで開催。この日は日本での事例を中心に紹介された。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 まず、武蔵工業大学環境情報学部教授で建築家の岩村和夫さんから、ドイツと日本の事例が紹介された。日本では東京都世田谷区と屋久島に環境共生住宅を設計してきた岩村さん。古くなった集合住宅建て直したという世田谷の事例では、住人が一度住まいを離れてから建て直し後にまた元の地域に戻るという前提で、住宅の建つ地域の環境全体をデザインした。ゼロから作るのではなく、もともとあった資源を利用したいというプランから、以前からあった木々などを活かした建物の配置が設計された。そして居住者同士の交流が持てるよう、共有スペースも設けるよう配慮されている。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 「鶴川エコビレッジ」を運営する相根昭典さんからは、自然エネルギーの利用や屋上ガーデンなどを備えた、コーポラティブハウス(住宅を建築する際、住み手が集まって協同組合方式で建てる集合住宅)が紹介された。建設時の相談から運営まで、住民同士が話し合いながら進めていく建築形式はまだまだ少ないが、問題を話し合い、解決していく過程で、住民同士のつながりもでき、建築にも積極的に関わるようになったという。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 また、都内でコレクティブハウス(私生活の領域とは別に共用空間を設け、食事・育児などを住人同士で共有することを可能にした集合住宅)、「かんかん森」を運営する木村ひろ子さんからは、住人が週に3回夕食を共にし、掃除などもコミュニティの仕事として住民が参加してやっているという、「かんかん森」のライフスタイルが紹介された。仕事以外の時間を大切にし、有意義に過ごすことこそ「生活すること」。その時間を大切にしてほしいとメッセージを残された。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 その他、株式会社地球の芽より、滋賀県で取り組んでいる「小舟木エコ村」の計画が、begood cafeが企画に携わっているエコビレッジ「PICA山中湖」の報告が設計を担当している山田貴宏さんから報告され、日本で現在進行しているエコビレッジの姿も紹介され、海外からのゲストも日本での取り組みに関心を持った様子だった。休憩時間には出演者、観客の枠を超えた交流が会場のあちこちで見られ、情報、意見の交換をしながら親好を深める姿が会場のあちこちで見られた。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 この日は海外事例の紹介は一件。マルチ・ミューラーさんから、2000人の住人が暮らすインドのエコビレッジ「オーロビル」の紹介だ。この村を超えた巨大な共同体はインドの思想家でヨガ行者、そして革命的指導者でもあったオーロビントと”マザー”と呼ばれた一人のフランス人によってつくられた。現在は様々な国籍の人たちが住人として暮らし、1日に訪れるゲストの数は住人を上回るという。開拓者たちによって緑が復活した広大な敷地には、300万本の木が生い茂り、各国の文化を感じさせる建物や、想像力をかきたてるデザインの、アーティスティックな建物も多く含まれている。エネルギーには、11000枚もの反射板を使ったソーラーパネルによる発電や、風力エネルギー、バイオマスエネルギーなどが利用され、パーマカルチャーの農園もある。各地域の祭りや文化行事も行われ、人種や民族を超えた文化や教育が共有されているようだ。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 両日とも会議の最後には、糸長浩司さんの司会のもと、海外ゲスト4人と日本人講演者に、この会議の進行役、シキタ純を加えたディスカッションが行われた。パネリストは会場からの参加者からの質問に応えながら、様々な意見を交わしていったが、中でも「エコビレッジ」という言葉の定義、そして各自異なった取り組みの中で何を目的としているのかという話題には様々な意見が飛び出した。
エコビレッジ国際会議TOKYO2006 パーマカルチャーの理念に基づき広大な敷地をデザインしていったマックス・リンデガーさん、都市の中で集合住宅の形態をとりながら、住民のつながり、自然との共生を大切にコミュニティ作りを進めていったライフスタイルを改善していったルイス・アーキンさんとリズ・ウォーカーさん。創作活動を続けながら、多民族、多文化が集まるコミュニティーに暮らすマルチ・ミューラーさん。そして日本のエコビレッジや新しいライフスタイルを目指す人々。

目的の違いもあるだろうが、共通しているのは、住人同士のつながりや自然との調和を大切にし、理想の社会を実現しようと努力を続けてきたこと。そしてそれが形になったのが「エコビレッジ」と呼ばれているように感じられる。そして子供たちのためにすばらしい環境を作り、伝えていきたい、教育の場を持ちたいという言葉も多く聞かれた。そういった理想を持つ人たちが、手をつないでいくことで、社会は動いていくのではないか。そんな気持ちにさせてくれた2日間だった。



ゲストプロフィール

■マルチ・ミューラーさん
グローバルエコビレッジネットワーク《GEN》評議委員

マルチ・ミューラー作家。写真家。元ソルボンヌ大学教授。環境問題研究家。社会活動家。国連 ECO SOC 代表。
現在、インドにあるエコビレッジ「オーロビル」とパリを行き来しながら、精力的に活動を続けている。

■マックス・リンデガーさん
グローバルエコビレッジネットワークオセアニア / アジア統括責任者

マックス・リンデガー世界最初のパーマカルチャーのエコビレッジとして「クリスタルウォーターズ」の創設にかかわるなど、25年にわたり、パーマカルチャー、持続可能なシステムデザインを実現化してきた実績から、世界中で講演、講義を行っている。

■ルイス・アーキンさん
ロサンゼルスエコビレッジ創設者

ルイス・アーキンカリフォルニア州立大学人類学専攻。ロサンゼルス保護観察所勤務を経て、1993 年にアーバンエコビレッジとして、ロサンゼルス・エコビレッジを設立。
2006 年ジャッキー・ゴールドバーグ賞受賞。都市部における低所得者の為に持続可能な生活環境を提供するプロジェクトを展開中。

■リズ・ウォーカーさん
イサカエコビレッジ創設者

リズ・ウォーカー1990 年、環境問題、湾岸戦争反対、社会における女性の平等などを訴えるための全米横断プロジェクトリーダーをつとめる。
その後、ニューヨーク近郊のイサカに、仲間とともにエコビレッジを建設する。

■糸長浩司さん
日本大学生物資源科学部教授 パーマカルチャー・センター・ ジャパン代表

糸長浩司工学博士、一級建築士。九州大学工学部建築学科卒業
東京工業大学大学院社会開発工学専攻博士課程修了。専攻は環境建築学、都市農村計画、パーマカルチャー。
日本の農村地域での住民参画型むらづくりの実践的研究、世界のエコ建築、自然エネルギー、エコビレッジ運動研究。

■岩村和夫さん
建築家、武蔵工業大学環境情報学部教授

岩村和夫1971 年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1973 年同大学院修了後、仏政府給費留学生として渡仏。中近東・ギリシャ、ドイツ等で建築・都市計画に携わる。
1980 年岩村アトリエ設立。1998年武蔵工業大学環境情報学部教授就任。

■杉田博樹さん
BIO-City 編集長

杉田博樹1949年、東京生まれ。日本で唯一のエコロジカルデザインの総合誌『BIO-City』( ビオシティ )編集長。
同誌で世界のエコビレッジを紹介。サステナブルな社会をめざす編集方針は、毎号、日本でのエコビレッジのモデルを示している。桑沢デザイン研究所非常勤講師。

095 芸術論

BeGood Cafe Tokyo Vol.95

『芸術論』〜 コミュニティ+アート
地域創造化が始まった!
DATE : 2006年11月19日(日)

芸術って生活とはかけ離れたもの。生活空間に、ましてや田舎に定着するものじゃない……そんなふうに思っていませんか?

しかし日本にもアートにあふれる風景が登場し始めているのです。今回のメインゲストは新潟の寒村をアートあふれる地域に変えた「越後妻有アートトリエンナーレ」総合ディレクターの北川フラムさんと東京東部の下町をクリエイターの力で動かし始めた「CET」の佐藤直樹さん。おなじみの代官山Ball Roomに、心を豊かにさせるアートで素敵な時間が生まれました。

[ ゲスト ]
北川フラム 北川フラムさん
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクター、アートフロントギャラリー代表

 

佐藤直樹 佐藤直樹さん
CET(セントラルイースト東京)メインプロデューサー、アジール・デザイン&アジール・クラック、アートディレクター

 

ゲスト プロフィール詳細

BeGood Cafe Tokyo
ビーグッドTALK−1
ゲスト:佐藤直樹さん(CET[セントラルイースト東京] メインプロデューサー、アートディレクター)

アジールデザイン、アジール・クラックのアートディレクター、佐藤直樹さん。多摩美術大学で助教授を務めるなど多彩な活動を続ける佐藤さんですが、この日は東京の下町をクリエイター居住区に変え始めたCET(Central East Tokyo=セントラルイースト東京)の活動を中心に話が進みました。佐藤さんが力を入れているのは、「かつては東京の中心だった東京東部の下町」。ここで入居者がいなくなったビルなどを新たなアート空間として再生しているのです。その取り組みはアーティストの個性を生かしたユニークなものであるとともに、地域の住人達を巻き込んだ、地域再生的な動きまでをも含んでいます。さまざまな試みをしてきたようですが、なかには地域の人の発案で道路を通行止めにしてイベントをやったこともあるのだとか! 熱い江戸っ子の血に火をつけたのでしょうか? アートの持つエネルギーの底力を感じさせてくれるエピソードですね!

BeGood Cafe Tokyo ビーグッドTALK−2
ゲスト:北川フラムさん(大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクター)

「大地の芸術祭ー新潟越後妻有アートトリエンナーレ2006ー」は芸術作品が山、川、田の広がる集落に点在するというユニークでダイナミックな自然とアートが融合した祭典。それは新潟県のホームページでも紹介されるなど、地域と人をつなぐアートイベントとして、様々な分野の人から注目されているようです。
北川フラム氏が十日町地域振興局長と2006大地の芸術祭振り返る

BeGood Cafe Tokyo これを企画したのは、企画展のプロデュースからまちづくりと一体になったアート計画など幅広い活動をおこなっている北村フラムさん。1988年には「アパルトヘイト否!国際美術展」を全国194ヵ所で開催し、アパルトヘイトに反対する芸術家の動きを日本に紹介するなど、独自の視点に立った活動を続けてきた方です。「この車が赤い風船と一緒にまちにやってくるんだよ」と車の模型とスライドで当時の様子を紹介した後、現在取り組んでいる大地の芸術祭について語り始めました。
BeGood Cafe Tokyo 今年妻有につくられたアート作品は、過去2回の開催で設置された恒久作品130点と、新たに加わった40カ国200組のアーティストの作品。プロジェクターで映し出される作品群、そのダイナミックさ、繊細さ、そして豊かさには圧倒されるばかり。そしてなによりこの企画自身が地域のネットワークをつくり、人を元気にしているというのが嬉しいところ。「海外のアーティストに頼むとだいたい断られません。彼らも田舎で育っています。田舎が元気になって欲しいという思いは彼らの中にもあるのです」と、世界に広がる普遍的な動きと、その中で見いだせるアートの可能性について熱く語ってくださいました。終了後もフラムさんのまわりには質問を投げかける人が絶えず、雨ですっかり冷え込んだ空の下、タバコを吹かしながら熱ーいアート論を繰り広げていました。

「大地の芸術祭ー新潟越後妻有アートトリエンナーレ2006ー」の詳細は
http://www.echigo-tsumari.jp/

GREEN ROCK

BeGood Cafe Tokyo 平野 剛

「光をあたたかいと思うこと、風を感じること、それらを受け取った時に、その中には無数の目に見えない生き物が息づき、いっせいに輝いています。それは少しずつためられ、或るとき静かに流れ出します」一人ピアノと向き合って座り、空間の中に音を生み出していく……。淡々とした中に確信に満ちた安らぎを生み出すステージは、まさにこの言葉を再現しています。豊かな感覚と繊細な情感を広げる音の世界。しばしの沈黙、そして終焉を知らせるライトとともに会場には大きな喜びが満ちあふれました。

Smileワークショップ サウンド・メディスン/声の薬
國分利江子(ニューヨーク認定マッサージ・セラピスト)
BeGood Cafe Tokyoクリスタルボウルという楽器を知っていますか? いろんな大きさの足のないお椀のようなカタチの楽器を使って演奏するのですが、倍音のように響くその音色は癒しの効果が高いのだそうです。今回登場したのは國分利江子さん。声の出し方と体に生まれる感覚を組み合わせたヒーリングをレクチャー。会場には荘厳な雰囲気とリラックス空気が流れ、参加者の皆さんもその心地よさにしばし酔いしれているようでした。

アート・ギャラリー
“もったいない” Waste Me Not Calendar 2007
世界のデザイン賞を受賞した読売広告社のカレンダーの展示・販売をしました。
「もったいない」に基づいた、今に伝わる暮らしの知恵を集め、実用性とデザイン性の高いカレンダーです。
詳しくは、http://www.yomiko-design.com/

ワールドレポート
BeGood Cafe Tokyo森田玄さんから日本ではなかなか耳に入らない世界のニュースを紹介するこのコーナー。「ディキシーチックス」という女性グループをフューチャー。全米で大ブレイク、しかし「ブッシュ大統領が同じテキサス出身で恥ずかしい」と政治的発言をしたことから一気にメディアから相手にされなくなってしまった彼女達。CDの不買運動など大変な出来事が起こったそうです。しかし彼女達の活動を取り上げた映像ができるなど、追い風も吹いている模様。頑張れ!!ディキシーチックス!!

BeGood Cafe Tokyo speak out! art action information−1
最近エコロジー関係の雑誌などでもよく目にするようになった「もったいない」という言葉。読売広告社がつくった「もったいないカレンダー」は各国のデザイン賞でも評価を受けているスグレモノ。ミシン目が入っていて使い終わった後も日付入りのメモ用紙として使用でき、しかも毎月「生活の知恵」をテーマに構成されているという力の入ったもの。スタッフの方に聞くと、その内容は練りに練った永久保存版クラスの自信作なのだとか。美しくデザインされた写真といい、カレンダー以外の楽しみ方がいくつもありそうですね。
BeGood Cafe Tokyo speak out! art action information−2
「treasured trush」ゴミが宝になる”資源バコ”をクリエイター達がデザイン! 「持続可能な社会」をデザインで実現していこうという新しいプロジェクトが発足している。約30組のデザイナーが参加してのこの企画はgift_の池田さんが中心となって呼びかけたもの。中には行政と共同で実用化の話しが生まれたものもあるのだとか。アートが世界を変える日がやってくるかもしれません。
BeGood Cafe Tokyo speak out! art action information−3
続いては写真家として、またトークイベントなどを通じて「未来の新しい暮らし方」を提案している瑳山ゆりさん。そんな彼女からWORLD PEACEのイベント紹介。彼女の感性で切り取られたポートレイトはどの笑顔もまぶしい!
BeGood Cafe Tokyo speak out! art action information−4
そしておなじみ谷崎テトラさんの登場。この日は開場と同時に素敵な手書きステッカーを配っていた彼。それが「FREE HUGS」! 紹介されたミュージッククリップには「FREE HUGGS」と書かれたプレートを持った男性が登場。街を行き交う人々とHUGし合う様子が映し出されましたが、これをみるとなぜか心があったかくなるのです。会場では「FREE HUGS」があちこちで発生していました!

BeGood Cafe Tokyoいろんな人がいろんなカタチでつながりをつくっていこうとしている。そんな実感を持たせてくれた今回のBeGood Cafe。ゲストの方々が持つシャープな頭脳と豊かな感性にビリビリ刺激をいただいた1日でした。皆さんありがとうございました!

そしてこの会を最後にしばらく産休に入る司会の丹羽順子さんと制作のカナシロリエさん、お疲れさまでした! 幸せなお母さんになって帰ってきてくださいね!

ゲストプロフィール

■北川フラムさん
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクター、アートフロントギャラリー代表


■佐藤直樹さん
CET(セントラルイースト東京)メインプロデューサー、アジール・デザイン&アジール・クラック、アートディレクター


■平野 剛さん
ミュージシャン

鎌倉市在住。音楽家。橋本一子氏に師事。90年よりカナダを中心に活動を始める。
自然に対峙し、ピアノ、ピアニカ、声、パーカッション等を用いた音楽を演奏。光をあたたかいと思うこと、風を感じること、それらを受け取った時に、その中には無数の目に見えない生き物が息づき、いっせいに輝いています。それは少しずつためられ、或るとき静かに流れ出します。

エコビレッジ国際会議TOKYO 2007 レポート

エコビレッジ国際会議TOKYO 2007 開催概要はこちら

エコビレッジ国際会議TOKYO 2007

エコビレッジ国際会議TOKYO 2007
エコビレッジ国際会議TOKYO 2007

エコビレッジ国際会議TOKYO 2007

世界で広がるサステナブル・リビング

2007年11月23(金)・24(土)、第2回エコビレッジ国際会議が開催されました。

住民の総意を反映させ、住民が支え合う仕組みを持ち、エコロジカルなシステムで環境負荷を低くするコミュ二ティでの住まい方を「サステナブル・リビング」といいます。

海外の様々な形態のコミュニティの状況と、日本型コミュニティの歴史や現況を紹介し、双方の類似性と相違も含めたくさんの情報共有をしました。

先進的な取り組みを続けるゲストの方々の講演は熱気に包まれ、笑いあり、歌あり、嬉しいサプライズゲストの登場ありと刺激の多い2日間でした。

参加いただいたお客様からも「エコビレッジへの認識が変わった」、「教育的広報機関としての役割が大きいことに希望を感じた」など前向きなものがたくさんありました。

共催のNPO法人パーマカルチャー・センター・ジャパンの皆様や、ご協賛企業関係者各位、当日のイベントを作り上げて下さったボランティアの皆さん、ご来場下さった皆様本当にありがとうございました。

以下、2日間の講演の詳細を報告します。

→ ゲストプロフィール詳細

エコビレッジ国際会議2007 レポート
(*サムネイル写真をクリックすると拡大写真とキャプションが表示されます)

11月23日(金)
エコビレッジ国際会議 2007
地球環境時代のエココミュニティーの創造 糸長浩司さん

世界中に広がりつつあるエコビレッジ運動。それは、先進国と呼ばれる諸国で生まれた文化や経済システムを世界へ広げるグローバリゼーションに伴い薄れてしまった『人と自然』、『人と人とのつながり』、『地域固有の文化』などを取り戻し、社会、経済、スピリチュアリティーを高めながら、自然と調和した持続可能な社会を実現していくことに焦点が向けられている。つまり、お金中心の社会から自然や人を中心とした社会へのシフトが始まっているのだ。かつて里山を通して自然とつながる生活をしていた日本では、過疎化した里山で循環型の暮らしを復活させ、エネルギーの自給や新たなビジネスを展開しながら地域社会とつながっていくことが大きな可能性を持っている。糸長さんの講演でエコビレッジの概念を確認をした後、多彩なゲストスピーカーから国内外の実践例が報告された。
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エコビレッジ国際会議 2007
サスティナブルコミュニティーの創造  ダイアナ・クリスティアンさん

GEN(Global Ecovillage Network)によると、現在世界に1,500のエコビレッジのプロジェクトがあり、およそ30カ国に約80ものエコビレッジがあるという。
エコビレッジのタイプには、1)インテンショナル・コミュニティ、2)持続可能性教育センターの機能、3)環境の持続可能性を重視した伝統的な村落、の3つのタイプがある。またエコビレッジは、理想的には(a)環境面、(b)経済面、(c)社会・文化精神面、この3種類の持続可能性を追求するものである、とダイアナさんは説明する。
ダイアナさんは「コミュニティーズ」誌で“最も美しいエコビレッジ”に選ばれたイタリア・ダマヌールを始め、デンマーク・ムンソガード、インド・オーロビルなど世界のエコビレッジの取り組みを、現地の写真と共に紹介。それぞれのエコビレッジが、気候や地形、伝統文化と最新のテクノロジーを融合させ、環境に最大限優しく、また人間らしい暖かなコミュニティを創造していた。日本のエコビレッジの理想形を考えさせられる内容だった。

エコビレッジ国際会議 2007エコビレッジ国際会議 2007


エコビレッジ国際会議 2007
フィリピンのエコビレッジづくり ペニー・ベラスコさん

朗らかな人柄に聡明さ、コラージュ絵本の作家でもあるアーティストとしての感性と強い意志を併せ持つ彼女は、フィリピンという経済的弱者と捉えられがちな国で、真の豊かさというものを非常によく理解して行動している。彼女らのフィリピンでの活動は今や世界的に評価されている。
「今私たちは地球の重要な瞬間に立っています…」地球憲章の前文を読み上げることから始まったペニーさんのプレゼンテーションは、フィリピンでのさまざまなエコビレッジ活動について行われた。
まず紹介されたのは「CELL(Center for Ecozoic Living and Learning)」。ここは、貧しい人々によって生まれた循環型のエコ・センターだ。年に4万人もの人々が訪れるという。次に紹介されたのは「Cabiokid」。この場所は6年かけて作られたパーマカルチャーの思想に基づく農場だ。さらにこの場所では、野生動物救済センターの役割もはたしている。3番目には、ペニー自身が代表を勤めるHappy Earth。ここではコーヒーのフェアトレードに関わる活動、そしてGEN(Global Ecovillage Network)の協力をあおぎながらエコビレッジの推進を行っている。現在は、来年オープンするエコビレッジの建築中で、そこでは貧困の救済とパーマカルチャーを踏まえた施設づくりがおこなわれている。将来はそこでエコビレッジ・デザイナーを育てるための教育も行う予定だ。
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エコビレッジ国際会議 2007エコビレッジ国際会議 2007


エコビレッジ国際会議 2007
北欧のコレクティブコミュニティと日本での展開 小谷部育子さん

「個人的生活はシンプルに、社会的生活は豊かに」。
コレクティブハウジングは個人の住空間を持ちつつ、共有スペースを通じて住人同士が暮らしの一部を共にする暮らし方。キッチンやリビングの他、図書室やゲストルーム、ジムまで備えたところもあり、住人が食事を共にするコモンミールがコミュニティ運営の中核となっている。1930年代にスウェーデンのストックホルムに第1号がつくられた後、フェミニズムやエコロジーと結びつきながら、デンマークやオランダ、北アメリカなどへ広がった。日本では2003年に建設された東京の「かんかん森」が注目されている。また最近スウェーデンでは「フェルドクネッケン」「ソッケンストゥーガン」「コルネット」など、第二の人生を楽しむことがテーマのコレクティブハウジングが出現中。入居者は40代からなのだそうだ。
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エコビレッジ国際会議 2007
【日本事例レポート】地域再生コミュニティづくり 相根昭典さん

エコビレッジ鶴川など、エコ住宅を次々と建設している。今回はエコビレッジ鶴川の例を取り上げ、いかに環境負荷が少なく、安全・安心な家を、住民の協力とともに立ち上げたかを説明。住み始めてもうすぐ1年が経つエコビレッジ鶴川では、現在は住民が主導で運営し、さまざまな持続可能な取り組みがされてるよう。
エコ住宅は木材をたくさん使うので、建てていけばいくほど、管理の行き届かない日本の森をどんどん手入れできるようになる、と相根さん。1年に100棟建てれば、1億円ものお金が森に落ちるという。まずは東北地方に、地元の木を使って「悲壮感のないエコビレッジ」を建築していきたいと語りながら、日本の林業復活を切に願う相根さんの夢は現実的且つ大きい。
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エコビレッジ国際会議 2007
【日本事例レポート】五島列島限界集落再生プロジェクト 石川孝さん

「限界集落」とは、住民の半数以上が65歳以上で共同体としての力が限界に来ている集落のことで、そのままにしておくと消滅してしまうコミュニティのこと。現在、日本では毎年20〜30の集落が消滅している。長崎県・五島列島にも、多くの限界集落が存在する。東京生まれ・東京育ちの石川さんは、旅行で訪れた五島列島にすっかり魅了され、“第二の故郷”を救おうと「五島列島限界集落再生プロジェクト」を立ち上げ、日本型エコビレッジを創り出そうとしている。東京と五島列島を“渡り鳥”として行き来し、都会の人たちに農業を体験してもらい、地域住民と交流することによってコミュニティに活気を取り戻すのが目標だ。しかし時に地元住民との間に気持ちのすれ違いなどもあり、当然簡単な道のりではないのだが、石川氏の決心と熱意はそれを上回っている。総じて言えることだが、コミュニティ作りにはとことん根気がいる。このプロジェクトの今後の動きは日本の消え行く山村の再生という重要なテーマに対して、何らかの示唆を与えるだろう。
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エコビレッジ国際会議 2007
ゲストとの質疑応答(ファシリテータ:糸長浩司)

「なぜ自分はこのエコビレッジを広げる活動に関わっているのか?」社会的な背景も交えて話して欲しいという糸長さんの質問に対する海外ゲストの答えは、エコビレッジ運動の背景に様々な社会的要因があり、世界中の人々が同じ問題に直面していることを確信させるものだった。
ペニー・ベラスコさんは「フィリピンでは海外へ出稼ぎに行く人が多く、家族やコミュニティがばらばらになっています。そして彼らは海外の文化に憧れています。貧困の中で高度経済成長に向かっている中で、私達はよい模範を示さなければならない」と、グローバル経済の中で生活を成り立たせるために、フィリピンの人たちが本来持っていた暮らしや固有の文化が失われていることを伝えてくれた。
そして、アメリカに住むダイアナ・クリスティアンさんは「先進国と呼ばれる国の人々は、自然や人とつながった生活を取り戻したいと思っている」とコメント。置かれた状況はそれぞれ異なるが、現在の地球と人類が直面している問題の捉え方には共通のものがある。世界の人々が同じ問題に気づき、その解答のひとつとして取り組み始めたのがエコビレッジというコミュニティースタイルだともいえるだろう。

11月24日(土)
エコビレッジ国際会議 2007
南米のエコビレッジづくり ジョバンニ・カルロスさん

メキシコで1982年に自身を中心に設立したエコビレッジ「ウエウエコヨートル(Hue Hue Coyotl)」を拠点に活動を展開しているジョバンニ氏は、ラテンアメリカでのエコビレッジの現状、役割と未来について語った。
現状としては、パーマカルチャーを実践するエコビレッジである「アソシアシオン・ガイア」(アルゼンチン)、移動型のエコビレッジである「ラ・キャラバナ(La Caravana)」(メキシコ)、各国の大学と提携したパーマカルチャーコースがあり、伝統的な方法で家々が建てられている「エル・ポンチョ(El Poncho)」(ボリビア)、先住民の人々にヒントを得て、ジャングルの中でエコビレッジをつくり、科学的な専門的スキルで、熱帯雨林の保護に活動している「リゼルバ・ササルディ(Reserva Sasardi)」(コロンビア)、自分たちの私有地を熱帯雨林保護地区にしようとしている「アブラ144(ABRA 144)」(ブラジル)、ラテンアメリカにおける持続可能な生活様式の模範的な訓練の場になっている「IPEC」(ブラジル)、エコビレッジ的活動がさかんなメキシコからは「ラス・カニャーダス(Les Canadas)」、メキシコシティで太陽光発電、水の節約、屋上菜園などを備えた、「エコバリオス(ecobarrios)」とよばれる居住区の活動について、そして自身のエコビレッジである、ウエウエコヨートルにおけるアートが生活の中に深く織り込まれた豊かな生活について発表した。
ウエウエコヨートルのようなコミュニティは日本では成立しにくいかもしれないが、非常におもしろく、興味深い。何しろ劇団のキャラバンから始まったこのコミュニティではすべての行為が演劇であり、それぞれがその時々に応じた人格を(例えば建築作業に入ったなら腕のいい大工を、またあるときにはミュージシャンを)演じ、喧嘩でさえも、つまり人生すべてが豊かな演技(アート)で綴られているという。
最後にジョバンニ氏は、エコビレッジには世界に対して、持続可能性を教育する役目があり、人類の未来はそこにある、と強調した。会場にいる若者に対して「未来はあなたたちのものだ。持続可能な社会を作る大変なチャンス」と、日々創造的な暮らしをおくる彼らしい言葉で締めくくった。
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エコビレッジ国際会議 2007
【海外事例レポート】米国ペンシルベニアキャンプヒル カイル・ホルツヒューターさん

アメリカ・ペンシルベニア州キャンプヒル・ビレッジ・キンバートン・ヒルズは1972年に設立され,現在世界で20箇国以上にわたって100以上ある国際キャンプヒル・コミュニティの一つ。広さは175haあり,約120人の人々が18軒の家に分かれて、ビレッジャー(障害者),コワーカー(健常者),コワーカーの子供が家族のように暮らしている。世界にいくつも存在するキャンプヒルは主にシュタイナーの思想をベースに設立されている。
カイルさんはシュタイナー農法の研修生としてキンバートン・ヒルズに滞在していた。キンバートン・ヒルズでの施設の運営方法と活動内容や環境への取り組みとして持続可能なシステムを使用している事を現地の写真と共に紹介。しかし課題もあり,広大な敷地のために車での移動が大半で、自転車や徒歩で移動するようにしているが、車を使用しない生活に切り替わるのは時間がかかるようだ。
このような課題もあるが,キンバートン・ヒルズは財政的や社会的には成功している。何より優れた点は人間の違いを受け入れることであり,個性や特異性を認め合い,お互い尊敬し合い家族のように暮らしている。
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エコビレッジ国際会議 2007
エコビレッジが世界を変える ダイアナ・クリスティアンさん

2日目のプレゼンテーションでは海外のエコビレッジ3事例を紹介した。

  1. アースヘイブン・エコビレッジ(米国)は山間地に立地する農村型コミュニテイ。1994年にアースシェア基金を設立し、320エーカーを全員で共同購入し40名が暮らす。居酒屋、パーマカルチャーの講座や会議を行う集会場があり、会議は合意形成を採択。全ての建物は自然素材を使用したパッシブソーラーデザイン、軸組工法等で造られる。住宅はコンパクトな設計で、コンポストトイレも整備。電力は小川の水力発電から、水は雨水や貯水池、泉から供給し、人口湿地の浄水も行う。交通は自転車を使用し、バイオデイーゼルによる車の共同利用も行う。養鶏や酪農、CSA(農産物契約栽培)や有機ハーブの薬の販売、林業のビジネスはコミュニテイの生計を支えている。
  2. フィンドフォーン財団(スコットランド)は、世界的に有名な精神的なエコビレッジで、全人格的な教育の国際センターでもある。1962年に設立し、30エーカーにフィンドホーン財団100名とフィンドフォーン協会400名の計500名が暮らす。1964年初めに精霊からの教えを機に教育を提供し、1990年代からエコロジー事業を開始する。45のビジネス(200名)や地域通貨、地域投資銀行の設立によって、活気溢れる農村経済を実現している。
  3. ニーダカウフンゲン共同体(ドイツ)は、1986年に創設された、古典的なコミューン方式の社会主義に基づくドイツ最大の収入共用型コミュニテイ。荘園の集合式邸宅(敷地4エーカー)に10グループ単位で80名が暮らす。建築、有機野菜、幼稚園、高齢者のデイケアーセンターなど10のビジネスがあり、運営は全員で共有し合意形成で決定。高度な断熱、パッシブソーラ—住宅、食物の自給、菜食によって、CO2の排出量を削減。収入は完全に共用され、金庫も住民全てで共有されているという。適度なサイズのコミュニティでは共産主義的な共同体が理想的に機能しうるという一つの事例でもある。

以上の事例紹介の最後に、「エコビレッジ? 出来るさ。」という子供のメッセージを取り上げ、イスラエルのキブツ・ロタンでの、アルミ部材とストロベール・太陽電化パネルを使って2週間で造る安価で、即構築可能な住宅を紹介した。
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エコビレッジ国際会議 2007

ライブ ジョバンニ・カルロスさん

アーティストでありミュージシャンでもあるジョバンニ・カルロスさん。メキシコのウエウエコヨトルエコビレッジに住みながら、アメリカでも音楽活動をおこなっている彼が、ランチタイム後のステージにギターと一緒に登場。アップテンポのキューバミュージック、消えゆく熱帯雨林に思いを馳せたブルーズ、ラブソングの3曲を披露し、会場にリラックスした明るい空気を運んでくれた。
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エコビレッジ国際会議 2007
コーポラティブ住宅での日本型エココミュニティの実例 延藤安弘さん

NPO法人まちの縁側育み隊代表理事であり、コーポラティブ住宅や住民主体のまち育ての伝道師として全国を飛び回っている延藤安弘さんは、都市におけるエコビレッジ的コミュニティの成功事例として、1985年に竣工した京都のユーコートを紹介した。ユーコートはU字型に、誰もが使える中庭があるコーポラティブ住宅だ。すべてにおいて、多数決ではないやり方で対話を重ねていったことで、大人から子ども、動物までもが豊かなコミュニティ、生態系を作り上げた。やがて、すべての家のバルコニーが緑化された。水平方向は貫通したバルコニーで、子どもが行き交うことができる。横にコミュニティ、縦には生態系の網の目が張り巡らされた。住宅密度は都市部と同じくらいだが、そこに命があふれている。子どもたちが生命の担い手になった。このような、子どもも、水、風、猫、うさぎ、犬、人間も、いのちがつながりあえる暮らし方こそが、日本的エコライフではないだろうか?と締めくくった。
このプレゼンテーションで何よりすばらしかったのは、スライドを使ってユーコートの歩みを解説する延藤さんが、無声映画の弁士のように弁舌巧みで会場から笑いと感動を絶やさなかったこと。コミュニティに必要なのはまず第一に笑いかも知れない。最後にホワイトボードにまとめた「エココミュニティへの8つの志」のウィットに、外国人ゲストたちからスタンディングオベーションの賞賛が送られた。
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エココミュニティへの8つの志 − ユーコートと世界のプロジェクトが示すキイワード −
エコビレッジ国際会議 2007
1)「」ゆっくり、ゆったりと真手(マディ)を大切に
Slow is beautiful
2)「」対人関係のヒューマンスケールと人間の尊厳
Human scale & dignity
3)「」軽い生き生きとした生活連帯と感動的な楽しい協働
Active living solidarity, associated relaxation
4)「」「なつかしい未来の創造」「オシャレなふるさとを創る」
Re-imagine ancient futures, smart and sustainable living
5)「」生命生物育みを楽しむ、文化の継承・再創造
Enjoy life rearing culture
6)「」気が遠くなるほどのトラブルをエネルギーに変えるセンスを高めて
Empower conflict-friendly sense
7)「」価値づくりの遺伝子の伝播とネットワーキング
Communicate gene of making value, networking (GEN)
8)「」多様なエコロジーへの開かれた心
Open mind for holistic ecology

豊かな生き方」のデザイン “Share Eco” = “Happiness is sharing eco”


エコビレッジ国際会議 2007
【特別レポート】コーポラティブ方式によるコミュニティの実例 中村秀樹さん

多くのコーポラティブハウスを手がけてきた株式会社都市デザインシステム。サステイナブル開発事業部の中村秀樹さんによると、コーポラティブハウスの建築数が65棟957戸まで伸びた理由には、楽しそうに暮らす居住者達を見て「自分もつくりたい」という地主が現れたことがあるそうだ。同社は集合住宅や街のデザインを通じて、環境の潜在力を引き出し、コミュニティ機能を誘発し、都市生活を楽しむことをテーマに、海、川、街、森、山のプロジェクトを展開中。新宿から電車で15分程のところにある野川エコビレッジでは、入居予定者が川の生態系の調査やゴミ拾いなどを開始し、汚れていた川を再生した。生活の中にコミュニティと自然を取り戻した好例だろう。
敢えて都市のエココミュニティ化を実現したいと語る中村さんのヴィジョンに共感する都市居住者は、おそらく多いのではないだろうか。
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エコビレッジ国際会議 2007
【特別レポート】都市に森をつくりすむ 甲斐徹郎さん

二つのコーポラティブ住宅を例に現代におけるコミュニティ価値を環境価値と関係価値の視点から述べた。
環境価値とは共同空間等のハード価値で、関係価値とは実際の生活で生まれるソフト価値のこと。二つのコーポラティブ住宅を対象に調査を行った結果、環境価値が高いと関係価値も高くなり、この事から環境価値から関係価値が得られるようになった、と甲斐さんは言う。
スライドで「欅ハウス」と「ザ・ステイツ平和台」の住宅を紹介し、二つの住宅とも、住民が何か行動を起こし、その行動が自分達の生活を豊かにすることが分かると自然と周りの住人にも浸透していっている。今の生活にはない、個人では得られない価値を意識せず得られる生活だと感じた。
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エコビレッジ国際会議 2007
デンマークのエコビレッジ 高樹沙耶さん

今年、BS朝日で取材に行ったデンマークのエコビレッジを紹介。
環境先進国であるデンマークでは、1970年からエコビレッジの動きが始まり19世紀にはグロントリーという宗教家によって、国王が国民と共に暮らす共生思想が広まる。人口の少ないデンマークでは、2005年にはCO2削減16%を達成し、都市部では自転車専用道路や電車での自転車の持込み、観光客用のコイン投入によるレンタサイクル、子供の菜園などを実践している。(1)1978年に創設されたスバンホルムエコビレッジは、415㌶に200名が農業を中心とした共同生活を営んでいて、木工場等もある。収入の8割は共同体に納めている。(2)トオーロップエコビレッジは1988年に創設され、100名が暮らす。住民は茅葺き屋根の住宅等を建て、下水と農地は共有する。(3)サムソウ島はバイオマスエネルギー、風力発電による自然エネルギーを最大限活用し、エネルギーの完全自給を実現している。設備費は、個人で投資し利益は配当される。
高樹さんは、1998年にオーストラリアのイルカセラピーとアボリジニーの人々の取材や、マレニーへの訪問を機に、自分の食物は自給しようと千葉にエコハウスを造った。都市に住んでいながら自分の行動がどう地球に影響するか日々考えて生活していると言う。最後に、ビレッジという単位になると大きいけれども、自分の住環境レベルで始められることから取り組みたい、と語る彼女は等身大の実践者で、その表情はいきいきとしていた。
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エコビレッジ国際会議 2007
【海外事例レポート】東アフリカエコビレッジプロジェクト 渡辺菊眞さん

土嚢を積んでつくる住居を提案している渡辺菊眞さんは、2001年から現在までにインドや天理大学で21棟を建設してきた。この住まいの特徴は、材料がどこでも手に入ること、循環する素材であること、建設が簡単なこと、冬あたたかく夏涼しいことなどがある。そして震度8にも耐える耐震性と、分厚い壁が弾丸を遮るという大きなメリットも。この土嚢の住居と鳥翼式風力発電機、バイオガストイレ、竹からのアルコール燃料精製などを組み合わせたコミュニティづくりも検討している。現在、アフリカの東岸、ビクトリア湖周辺の国で支援活動を計画中。ネットワークをつくりながら計画を進め、地域の人が共通の夢を描くきっかけをつくりたいと考えているという。
愛嬌あるその性格と対照的に、渡辺さんの手がける特徴的な空間構成は、自然環境に最適化した結果、宇宙的目線から人間の住を捉えているようでもありユニークである。
エコビレッジ国際会議 2007エコビレッジ国際会議 2007


エコビレッジ国際会議 2007
【日本事例レポート】伊達エコビレッジ計画 西條正幸さん

北海道初のエコビレッジ「伊達エコビレッジ」の紹介。今まだ着工していないが着々と計画は進んでいる。
伊達市は「北の湘南」と言われているほど温暖な気候であり、館山の高台の噴火湾が眺望出来る場所に位置している。「誰でも気軽に住めるエコビレッジにしたい」ということで、誰でも手に入りやすい地元の素材、例えば地元の松の木材やホタテの養殖での貝殻等を多用している。そしてエコビレッジらしく、環境への配慮も忘れてはいない。暖房には地元の木材を使った木質ペレットストーブを用い、太陽熱や雨水の利用、壁面や屋根の緑化を計画。また、コミュニティ空間として小さな森や有機菜園等を取り入れている。
「地元で地元を感じられるエコビレッジを」と西條さん。今後の発展が楽しみだ。
エコビレッジ国際会議 2007エコビレッジ国際会議 2007


エコビレッジ国際会議 2007
ゲストによるディスカッション(ファシリテータ:糸長浩司)

会議の最後は、糸長浩司さんを司会役に、ゲスト11名(ダイアナ・クリスティアン、延藤安弘、ジョバンニ・キアロ、中村秀樹、ペニー・ベラスコ、甲斐徹郎、渡辺菊眞、西條正幸、カイル・ホルツェター、相根昭典)にこの会議の進行役であるシキタ純を加え、ディスカッションが行われた。
日本勢からは、日本はシステムやハードを取り入れるのは得意だが、今後は海外事例にみられるようなスピリチュアリティ、包括的なエコロジーの精神が必要だ、という意見が聞かれた。更に海外の一部コミュニティでは、コミュニティ内で仕事を創出し、循環する経済システムを作り上げていることを取り上げ、このような深化したエコビレッジの在り方にも多くを学ぶべき、との意見も出た。
海外勢からは、1980年代に始まったユーコートの事例が世界的に見ても先進的だという指摘や、鶴川での樹木伐採前の祈祷の様子を見て、自然観・生命観がとても日本らしく印象的だったという意見が出た。
最後の質疑応答では、老人・障害のある人などを含む、あらゆる人々が共存するエコビレッジが世界中に存在しているというメッセージを海外ゲストが伝え、このエコビレッジ国際会議のように、世界に広がるさまざまなエコビレッジをネットワーキングする活動が今後、より必要であることを全参加者が確認して、2日間の充実した国際会議を終えた。


最後にゲストと来場者全員で集合写真

エコビレッジ国際会議TOKYO2007

→ 写真のダウンロード(右クリックでダウンロードしてください)

クボタ地球小屋2007 開催レポート

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007 レポート

1日目2日目3日目4日目

こちらでもキャンプの様子をご報告しています。ぜひご覧ください。
クボタ地球小屋レポート(株式会社クボタ様制作)

7月23日(プログラム1日目/雨のち曇り)

いよいよ今日から3泊4日のクボタterra-koyaのスタートです。
朝、8:00。大きなリュックを背負って元気に新宿西口に集合しました。
「天ぷら油」を使ったリサイクル燃料の特別なバスに乗りこんで3時間。無事シャロムに到着です。少し雨がぱらついていましたら雨もあがって天気も回復。

オリエンテーション
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007早速ランチを食べたら、オリエンテーションです。
スタッフの紹介・terra-koyaのお約束・シャロムの紹介がありました。
その後は、キャンプネームの名札づくり。ひとりひとり、キャンプの間呼ばれたい名前を名札に書きました。

名札をつけたら森の広場に集まって。
知らない人どおしが仲良くなれるアイスブレイキングのゲームです。
みんなで丸くなって名前をおぼえるゲームをしました。
1番の人は「わたしは○○です。」ってキャンプネームを言います。
2番の子は「わたしは○○の隣の△△です。」
3番の子は「わたしは○○の隣の△△の隣のミッキーです。」というカンジ。
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007それをドンドン繰り返していくと。。。
アッと言う間に全員の名前が覚えられました!こどもたちの記憶力に大人は脱帽です。
みんなで言葉を交わし、ふれあうことで場の雰囲気がとても和やかになってきました。
次は友達ゲーム。どんな仲間が集まっているのかな?
「○○が同じ人は友達!!」とかけ声がかかると、○○が同じ人どおしは「友達!!」と言ってグループに集まるゲームです。好きな果物・血液型・学年・住んでいるところ。。。
みんなが仲良くなってすこしずつ垣根が取れていきました。緊張した顔が笑顔に変わりました。

森に行ってみよう
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007シャロムの森の探検です。シャロムの森や建物を見に行きました。
森の広場・アースオーブン・コンポストトイレ・ファイヤースペース・ツリーハウス。
ツリーハウスについたら。。。こどもたちは高いところが大好きですね。
女の子も男の子もぐいぐいよじ登って、屋根の上まで登ってしまいました。
森の中でのあそびを通じて自分自身の判断力や危機管理を学びます。
大人達はそれをそっと見守ります。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007温泉タイムのあとはお待ちかねの夕食です。
シャロムの食事はすべてマクロビオティック。牛乳も砂糖も入れないベジタリアン・メニューです。「色キレイ」「あれ!?これお肉じゃないの??」
1口食べる度に驚きいっぱい。マクロ初チャレンジです。

ナイトウォーク
外は真っ暗です。

普段はコンビニがあったり、車が通っていて夜でも明るいことが当たり前のようになっていますね。でも、ここは森の中。本当に真っ暗なんです。
こどもたちは笛の音に誘われてテラスに集合。
みんなで丸くなったら、メロディーに合わせて、『キキソソ』を歌います。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007ともだち ようこそ♪
花びらのシャワーで♪
愛と知恵と力でつながろうー♪ つながろーつながろー♪
キキソソ♪
愛し合おうー♪つながろーつながろー♪
キキソソ♪ 愛し合おうー♪

さぁ。ナイトウォークの始まりです。まずは、夜の畑を歩きます。
インタープリターの先導で、すっかり暗くなった道を音がしないようにそっと歩きます。遠くの方に、安曇野の街の明かりが見えていますね。
真っ暗な森にむかって、「わーーー」。大きな声を出すとこだまが帰ってきます。

次は自然の音を聞いてみます。
隣のおともだちとちょっと離れて目を閉じます。静かに耳を傾けます。風の音、葉っぱの音。それに夜鷹が鳴いていたり、いろんな虫の声が重なり合って聞こえてきました。5分とは思えないほど、長い時間に感じました。
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007夜の森はとってもにぎやか。音のマジックですね。
ナイトウォークの最後は森に入って、暗い森を一人で歩きます。
暗闇にもすっかり目が慣れてモノトーンの世界を感じられるようになりました。 人の目は45分くらいで慣れるのだそうです。この暗闇でもランプなしで歩けるようになりました。 暗闇をひとりで歩くのなんて初めてです。

1日目の最後は振り返りの時間です。
今日の思い出を文章や絵に描いて記録しました。

7月24日(プログラム2日目/晴れ時々曇り)

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007今日は素晴らしい晴天です。まぶしい朝陽と清々しい空気に包まれまれながらモーニンググリーンウォーク。
足元は朝露がいっぱい。グリーンの草を踏みしめながら進みます。
歩きながら、いろいろなあそびを憶えました。
草笛を教わったり、アカツメクサで花冠づくり。それから花の蜜も吸ってみました。
抜けるような空と山をバックに記念写真です。
腰の高さ程の草むらのグングン進んで森に向います。
「あった!」の声に導かれて、雑草の中を覗いてみたら真っ赤な木イチゴ発見。
大きなクマンバチの巣・カブトムシの死がいにも出逢いました。
森に入ったとたん中はちょっとひんやりしていて、落ち葉のしっとりしたにおいがします。木漏れ日の中を進んでいくと、足元にはキノコ。リスの歯形付きくるみの殻も落ちていました。根っこの周りが穴ぼこだらけのもみの木からは、本当に沢山の蝉の抜け殻を発見。葉っぱの裏側にまでくっついていました。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007

待ちに待った朝ご飯。思い思いに好きな物を盛りつけたら、外のテラスで朝食です。

パーマカルチャー教室
パーマカルチャーとは持続可能な農的暮らしのこと。
まず森の中の土や生き物がどうなっているか観察しました。 良く自然を観察するところからパーマカルチャーは始まります。
森の土をよく見てみると落ち葉がつもっていて、その下は土のようになっていました。
これは微生物や小動物が落ち葉を分解したからです。
次にお皿に葉っぱの下の土を取って観察すると、土の中にはいろんな生き物がいることがわかりました。土のにおいも発酵した納豆や堆肥のにおいがしました。畑に移動してみます。
まずはシャロムの隣にあるた畑の土の観察をしました。この畑はよく耕されている一般的なフツーの畑。土はにおいもなく虫もいませんでした。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007こんどはシャロム畑。
畑の中に草が生えています。それに木が生えている畑もありました。一般的な畑と比べるとまるで森のようでした。自然農法の畑はひとが何もしない畑ですが、ライ麦やアスパラ。大根にゴボウの花も咲いていました。まるでジャングルのようでした。
パーマカルチャーの創始者のビルモリソンは世界を森で覆い尽くすといったそうです。
すべての循環がそこにあるから。。。
それだけ、森は豊かで多様性に優れているということです。

次にジャガイモ畑でジャガイモの収穫です。
「ジャガイモの原産地はどこ?」この質問に、北海道という答えをいったおともだちがいました。北海道は涼しくてジャガイモの生産にはとてもいい条件ですからね。
でも、答えは南アメリカのペルー。アンデス地方が原産地だそうです。
ペルーアンデスは高地で雨の少ない地方です。
25度を超えると葉っぱが枯れ出して、また来年の発芽に備えるのだそうです。
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007ジャガイモは茎に養分を蓄えてまた発芽します。
それからアンデス地方では10種類以上のジャガイモを一緒に植えるそうです。そうすると日照りに強い種類、雨が多いとよい種類、虫に強い種類といろんな物を植えることで収穫できない危険度を減らすのだそうです。
シャロム畑には、男爵・メイクイン・アンデスという種類が植えられていました。
男爵はよく見るジャガイモ。丸くてゴツゴツした形。メイクインはちょっと横に長ほそい形。アンデスは赤い色でサツマイモのようでした。たくさんの収穫に大満足です。

次に自然農の種の蒔き方を学びました。草の中に種を蒔く!?もうビックリです。
草を刈って表土の土をかきとり、平らにして種を蒔きます。
耕してない畑は表土に草の種があります。これを耕してしまうと草が一斉に芽を出し、野菜の種が負けてしまうんです。だから、そのまま耕さずに種まきをします。
ぱらぱらとスジ蒔きにしてみました。
蒔けたら、鎌のセで土をたたいて種に土をかけます。そして手でしっかり押さえました。押さえることで種と土が密着して繋がるから発芽率が2割高まるそうです。
最後はそばの種まきにチャレンジです。長野県はおいしいおそばがとれることでよく知られていますね。今、そばの種を蒔くと2〜3週間後には白い花が咲きます。
仕上げはランチのサラダ用に夏野菜を収穫して森の広場へ戻りました。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007

薪で火をたいて食事の準備です。
メニューはジャガイモの丸ごと蒸し・収穫したばかりの野菜のサラダ・ダッチオーブンで作るほうとう。それとマキマキ焚き火パンです。

まずはほうとう。
これは武士の野戦料理です。味付けをした汁の中にうどんを入れるとてもワイルドな料理です。小麦に塩を入れて水を入れてこねます。このとき塩を入れないとまとまらずベタベタします。塩は組織を縮める作用があります。まとまった小麦をすこしづつ
手でのばします。みんなで思い思いの太さ長さにのばしていきます。それを野菜がたっぷり入っただし汁の中に入れます。

次はほかほかのジャガイモです。
さっき畑で取ったばかりのジャガイモが早速ゆであがりました。塩とバターを付けて食べました。どのレストランの料理よりもおいしく感じられました。
ほうとうが茹であがるまでの時間を使って、マキマキ焚き火パンに挑戦です。
竹の棒にパン生地をくるくると巻き付けて薪にかざします。
コツは直火に近づけすぎないこと。遠火でじっくり焼くことです。
そうこうしているうちにほうとうもできあがり。
マキマキ焚き火パンと取立てサラダと一緒に野外クッキングを味わいました。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007ランチの後はシャロムのエコツアー。
シャロムの中のエコロジーを探してグループごとに探検です。
みんなのエコなハテナ??について考えてみたり、どんなところがエコロジーなのか。
それから、シャロムの循環の仕組みについて学びました。
休憩をはさんで、グループで話し合いをして発表の準備をしました。
家でできることエコロジカルなことを学校でできるエコなこと。。。
たくさんのアイデアや提言がまとめられました。

たのしい夕食後は森からのプレゼント。蝉の羽化を見ることができました。
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007淡いグリーンがかったセミが本当にゆっくりと殻の中から出てきます。
最後に出てきた羽もピンと伸びて透き通っていてすごくキレイです。
よく見たら、透明だけど、グリーンみたいなブルーみたいな色でした。
幻想的な自然の色と生き物の不思議を体験した、ミラクルショーでした。
みんな木のまわりに釘付けになって1時間ぐらいかけて観察しました。

7月25日(プログラム3日目/曇り時々晴れ)

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007朝のおさんぽ。今日は虫メガネを片手に朝の森に行ってみます。
糸みたいに細長い虫。葉っぱにクルクル包まっている虫。キノコや野生の猿。
たくさんの森の生き物たちに出会いました。
これはしずくのリング。草についている朝露をそぉっと指に移します。
キラキラのしずくの中を覗いて、遠くの景色を見てみると。。。
「あっ!空が逆さま!」に見えるんです。

今日は田んぼの日。
まず最初にお米について学びました。雑穀・赤米とクロマイ。
色も形も様々です。もみ・玄米・白米も比べてみました。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007

35億年前。生き物が生まれ、そして人間が生まれました。わたしたち人間はどんなものを食べてきたんでしょう?早速、縄文時代・弥生時代・戦前にタイムスリップ。お米が食べられてきた歴史を学びました。
今日はおにぎりを持って田んぼに出かけます。そこでみんなでおにぎりを握りました。
仕上げに、朝のおさんぽでとった桑の葉っぱにおにぎりを巻いたら、できあがり!

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007お米のできるまでの勉強をしてさあ田んぼに出発です。

田んぼの土手でランチタイム。
自分の作ったおにぎりに舌鼓。日本人に生まれて良かったと思う一時でした。
田んぼでは有機農家で安曇野合鴨研究会の会長の藤沢さんが合鴨農法についてお話ししてくれました。鴨はいい時期に放すと草を食べ除草をしてくれます。
この田んぼは合鴨を離すのが遅れ草が大きくなってしまったのだそうです。おにぎりの後は農作業。除草です。カモに負けないように除草をしていきます。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007休憩時間には藤沢さんが作った100パーセントのトマトジュースを戴きました。汗をかいた後のトマトジュースが全身に広がり元気がよみがえってきました。
一人では大変だけれど沢山のひとが除草をすればあっという間にきれいになりました。
最後に合鴨と記念写真。ハイチーズ。

ナイトプログラム

今日はキャンプファイヤー。まず火おこしの実習です。マッチ1本で火を付けることを学びました。
炎が大きく育ってきたところで、楽しい歌やゲームが始まりました。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007
オオブレネリあなたの家はどこ♪
グリグリ♪グリグリ♪ ラムサムサーム♪

 

7月26日(プログラム4日目/曇り)

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007今日は帰宅の日です。朝、荷物をまとめてから畑に出かけました。
畑に行っておみやげ用の種を採りました。
野沢菜の種・ライ麦の種を集め持ち帰ることにしました。畑では桃もなっていました。
まだ青いリンゴも食べてみました。シャロムにかえってキャベツの種取りを教わりました。ビニールに広げてただたたくだけ。簡単にさやから種がこぼれ落ちてきます。
この小さな種から芽が出てキャベツになる。人は育てるだけ。種そのものを創り出すことはできないんですね。芽がのびていくのを手伝うだけ。自然てスゴイですね。
種を袋に入れてメーセージを書いておみやげにします。
きっと9月には芽が出て白いそばの花が咲くでしょう。

未来の暮らし
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007

自分が大きくなったらこんな暮らしをしてみたい。絵や文章にして発表しました。
ひとりひとりお気に入りの場所で絵を描きました。

クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007風力発電のお家で屋根にはブランコ。雨水のウォータースライダー付きのお家。
みんなの描いた未来はとてもワクワクするものばかりでした。
多様な自然循環のある、調和に満ちた暮らしが描かれていました。

手作りピザ
ランチはシャロムの名物。石窯で焼く、手作りピザにチャレンジです。
やわらかいピザ種を手でのばして、本格的なナポリ風ピザに挑戦です。
「1・2・3・4。。。」カウントしているとアッと言う間に焼き上がりました。
自分でつくったピザは格別です!おいしいピザに舌鼓です。

クロージングセレモニー
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007最初はチャンピオンの表彰式。参加した全員がチャンピオンです。
キッチンチャンピオン・セミ集めチャンピオン・花冠チャンピオン。
ドキドキしながら、ホントはちょっとうれしはずかし。
みんな光り輝いていました。

セレモニーの最後にキャンプのテーマソング『キキソソ』を歌います。
みんなスッカリ振り付けも憶えてバッチリです。
こどもたちは4日間で見違える程生き生きとしてなんだかたくましくなりました。
それに本当にキラキラした顔が印象的でした。
クボタ 地球小屋(Terra-Koya) 2007お別れに涙を流し、もらい泣きのスタッフも続出。
去りがたい思いを残しつつ、クロージング。いよいよ未来にむかって出発です!

ともだち ようこそ♪
花びらのシャワーで♪
愛と知恵と力でつながろうー♪ つながろーつながろー♪
キキソソ♪
愛し合おうー♪つながろーつながろー♪
キキソソ♪ 愛し合おうー♪

思い出の森の広場でパチリ!

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