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084 海の世界から

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BeGood Cafe Tokyo

『エコプロダクツ2005』でエコロジー大作戦!
DATE : 2005年12月15日(木)-17日(土)

エコプロダクツ2005の会場での開催。
女優であり、フリーダイビングの日本記録を持つ高樹沙耶さんをゲストに向かえ、お話を伺いました。

[ ゲスト ]
高樹沙耶 高樹沙耶さん
女優

 

ゲスト プロフィール詳細


ビーグッドTALK @ エコプロダクツ2005(環境コミュニケーションステージ)
ゲスト:高樹沙耶さん(女優)

『女優といえば、消費を煽る代表みたいな感じでしたからね、私はあれを持っている、これを持っている、みたいな。私は逆行していますね、そういう意味では、女優さんの中で一番モノが少ないんじゃないですかね。エコな生活をしようと思ってライフスタイルに変えたわけではないんです、実は。10年前くらいに、ドキュメンタリーの番組で海外に出かけるようになったんですね。それまではずっと東京のスタジオでお芝居ばっかりしていたんですけれども、世界に出かけて、自然の中で生きる人に出会って、それからが、すごく人生変わっていきましたね。最初フィンランドにいって、北欧の森を見たときとか、北欧の人たちの生き様を見たときとか、少し意識が変わった。その後、オーストラリアの先住民であるアボリジニの方と3日間くらい一緒に過ごさせていただいた。アボリジニのビルさんっていうおじさんで、このとき、アボリジニの生き方っていうのを学習したんですけれども、「あ?地球に生きるってこういうことなんだ」って感じたのが、本当に一番最初のきっかけですね。』

BeGood Cafe Vol.84 『エコプロダクツ2005』でエコロジー大作戦!

『ま、3日くらいでは、本当に彼らのライフスタイルを理解するのは不可能なんですけれども、彼らは教科書とか文字とかを使わないんですね。だから、体で体験させるんです。「聞いてごらん」とか「見てごらん」とか、「匂いをかいでごらん」とか、五感を刺激する教育をいっぱいするんですね。生きてるってことを、そこから学び取らせるというか。

 この企画は実は、アボリジニと会おうとかいう企画ではなくて、「イルカは人を癒せるか」というテーマで、それを仕事にしている女性に会いに行ったんです。けれども、私は「世の中にこーんな素敵な職業があるんだ!」と思って、彼女のようにイルカセラピーがしたいと、そういう想いで、インストラクターに会ったりいろいろしました。で、ハワイという場所が、常夏ですし、海の透明度もすごくいいですし、サメの危険性もオーストラリアに比べて少ないし、そこでドルフィンスイムをしよう、ということで、ハワイに移動しました。でも(私は)女優さんですし、女優が突然ドルフィンスイムを教えますといっても、誰も相手にしてくれないし、それで仕事してくのは大変だなと思ったんで、いかに自分が海のプロになるかというのをアピールしようと思った。で、たまたまハワイにはフリーダイビングのアメリカのチャンピオンが住んでたんですね。海の仲間で、一緒に遊んでて、海に行ったときに、「沙耶はけっこう才能があるよ」って言われて、調子に乗って練習を始めたら、どんどん深く潜れた。その練習の最中に、次の年にハワイ島でワールドカップがあります、ってことになって、自分のためにも、自分がいかに海のプロだってアピールするにも、どちらにとっても必要だからチャレンジしようってことにして、それで一年でトレーニングをした。

 一年間、ヨガをしたり、泳ぎ込みをしたりとか、食事制限をしたり、本当にフリーダイビングのために生きていました。感動の連続って言うか、神秘体験に近いですよね。現実のいろんなめんどくさいことを忘れて、海の世界に入っていく瞬間が気持ち良くて、ああ、なんか生きてるってすばらしいな、地球ってすばらしいな、っていうのばかりを体験できる毎日っていうのかな、夢のような時間でしたね。そのままハワイに住めたらいいな、って、ハワイでエコ暮らしをしているときに、日本の五右衛門風呂を作ったりして。いろいろ失敗もあったんですけど‥』

『スキューバダイビングってのは海を観察するっていう感じなんですけど、フリーダイビングは海と人間が一体になるっていうか、大きく言っちゃうと地球と一体になるっていうか、そういったすばらしい感じを体感できるので、ぜひ感じてみて欲しいと思いますね。やっぱり頭で考えることと感じることは全然違うと思うので、本当に自然の中にいって、海でも山でも、体験して感じるっていうことをぜひしていただきたいですね。

 ハワイの海をみてから、日本で行われる(フリーダイビングの)予選に出るために日本に帰ってきて、日本の海があまりにも汚れているのにショックを受けてしまって。この海で20メートルも30メートルも潜ったら死ぬと思って、潜れなくしまったんですね。この海の汚れって一体何なんだろうって思った。日本の海はもともとハワイの海に比べて、栄養も多くてプランクトンも多いから、美味しい魚がいるっていうのもあるんですけれども、今回、それだけではないなと思いました。この透明感の無さは、陸での人間の生き方が確実に影響してるんだと。私はイルカと泳いでも、イルカと触れ合っていられるのは、本当に一日のうち数時間しかない。私はやっぱり、陸の上に生まれた人間として、陸でどう美しく生きていったらいいんだろう、って思い始めたんです。で、その時に、たまたまオーストラリアに友人がいて、パーマカルチャーというのをやっていて、その生活を見に行った。ああ、21世紀にみんながこういう生活をしていたら、きっと地球は人間に対して微笑んでくれるんだろうな、っていうライフスタイルだった。だからね、私もそれを日本にいてできたらなって。

 ブリスベンから車で2時間くらい移動したところにあるマレーリという地域なんですけれども、パーマカルチャーっていうのは、昔の自給自足的な生活と今のテクノロジーをうまくミックスさせて、大地を汚さないように、永続的なライフスタイルっていう感じで。それをおしゃれにしたのが、アメリカで流行っている「ロハス」っていうのになるんですけれども。私はこのパーマカルチャーからヒントをたくさんもらいました。』

『飛行機に乗っていても、窓から見る、地球の上にある雲の色がどんどんやばい方向に向かってるよっていうのは感じるので、それは、見てしまったり、感じてしまっている以上、伝えたいです。私も、気持ちのいい海にもぐりたい、綺麗な海に潜りたいんですよね。本当に自分の子どもたちの世代に残してあげたいし、昔の写真を見ると、全然違うんです。「あ、こんな綺麗だったんだ」っていう。それはあんまりにも悲惨じゃないかなって。できる限りのことをしていきたい。

 とにかく、地球っていう大きい場所と思っていたんだけれども、この星にみんなで住んでる。だから、私の家とかあなたの家とか、自分の国とかあなたの国とか、水とか空気は循環してるわけで、そういう循環してる中に、みんなが生きてるんだっていうことを、考えると、形だけ健康になろうとか、日々の生活だけ何とかしようと思っていても、どうにもならないと思います。命ある星にみんなで生きてるんだっていうことを、もう、いつもベースで考えるっていう。じゃあ次にどうしたらいいかって言うのが見えてくるので。「一つの星にみんなで生きているっていうね、それをみんなで思い出そうよ」っていうのが一番大事。数人の人ががんばっても、焼け石に水だと思うんで、みんなで同じ意識になって、一斉にやらないと、「もう遅くなっちゃうよ」って思います。』

『海で感じた感動は、コツコツとスクールなんかやりながら付き合っていくっていうことと、あとは、やっぱり自分は一人の人間として生きているっていうことを楽しみたいので、半分は自分の人生を楽しんで、半分は地球のためにお返しするみたいな、そんな生き方をしようかな、と思っています。

 メディアの仕事は東京にいないとはかどらないんで、東京にもいながら、千葉県の房総の白浜町にみんなで集える海の家を作ろうと。なるべく、地球に負担をかけないような家を企画中で、いろいろアイディアがあるので、何をどういう風に取り入れようかなっていうのを今考えている最中です。今日も、「あ、これいいじゃない」っていうのがありましたから、カタログとかお名刺とかいただいてかえろうかな、と。』

『今までどっちかっていうと、メディアに「アメリカがかっこいい」みたいなことばかり言われてきて、なんか、日本人であることがダサいっていうのが、染み付いちゃってるんでしょうね、日本人て。私たちの持っている財産、知識があるので、もっと自信を持って日本を見直すことがすごく大切。(私は)昭和38年生まれ、東京オリンピックの頃で、どんどん新しいものっていう波に乗って生きてきてしまったので、悪い癖がついてるんですけれど、もう一度日本のことを見直してみようかな、って今思っています。』

『ダイビングのトレーニングしたときに、お寺のお坊さんみたいな食事になっちゃったんですよ。消化の悪いものを食べると、呼吸がすごく苦しくなるので、消化のいい食べ物。あと、カフェイン、お酒、乳製品を一切摂らない。よく考えたら精進料理と同じような食事をしていた。食事も1日に1〜2回だけなんですよ。自分が苦しくなっちゃうんですよね。競技の中にプールで、何分息を止めてられるかっていうのを継続するんですが、お腹いっぱいだと全然息が持たない。空腹状態でトレーニングをする。

 そういうトレーニングと食生活を1年やったら、体が軽かったんですよね。女優時代は、いつも(からだの)この辺が痛くてだるくて、マッサージしてほしい、みたいな。いつもそんな感じだったですけど。疲れ知らずになりましたし。おなかも軽いっていうのかな。

 現代人はエネルギーを取りすぎてると思いますね。世界中から、ひとのうちからいろんなものを持ってきて、食べすぎだと思いますね。お寺の料理とかもね、自分が生活している一里以内のものを食べましょうっていうことなんですよね。』

『自分がやっぱり、女優とかしていて、いいカッコをしたり、いい宝石をもつことが気持ちいいって勘違いしてた時期があって、でも実は全然気持ちよくなかった。人の羨望を買うだけで、その関係には愛が生まれないじゃない。いつまでたっても、おまえはいいよなそういうもの持ってて、って言う気持ちを生んでしまう。二人の間に、何のハピネスも生まれないと、ものすごい感じた。で、海の世界に行って、泳いだり、少ない食べ物をみんなで分け合ったり、ものすっごい幸せなんですね、みんな。そんなような意識にみんながなっていくと、すっごいいいなって思って。私はそれを確実に感じたので、若い子達にもそれを伝えていきたい。
自分だけたくさんお金持ちになったり、自分だけたくさんもって、一人ぼっちでいても、絶対さびしいと思うんですよね。』

会場全体図
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■期間 2005年12月15日(木)‐17日(土) 10:00‐17:00

■会場 東京ビッグサイト 東展示場4・5・6ホール
東京ビッグサイト map
ゆりかもめ  新橋駅から21分→国際展示場正面駅下車
りんかい線  大崎駅から13分→国際展示場駅下車
       新木場駅から5分→国際展示場下車
水上バス   日の出桟橋から20分→有明客船ターミナル
路線バス   東京駅八重洲南口、浜松町駅バスターミナル他より
http://www.bigsight.jp/access/index.html

■料金 入場無料

■お問い合わせ
・エコプロ来場に関するお問い合わせ/03-5777-8600
・BeGood Cafeに関するお問い合わせ/03-5773-0225

ゲストプロフィール

■高樹沙耶さん
女優

80年、モデルデビュー、83年映画『沙耶のいる透視図』で女優デビュー。以来、テレビ、雑誌などのメディアで幅広く活躍。2000年、ダイビング・インストラクターの資格、小型船舶一級ライセンスを取得。01年には、活動の本拠地をハワイに移し、フリーダイビングの世界に入り、トレーニングよりわずか1年の02年、フリーダイビングの日本大会で水深45メートルの日本記録を打ち立てる。
同年ハワイで行われたワールドカップでは、水深53メートルを記録し、自己の持つ日本記録を更新。結果、個人4位、他2人のメンバーとのトータル記録で日本女子は銀メダルを獲得。