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087 シュタイナー

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BeGood Cafe Tokyo Vol.90

ルドルフ・シュタイナー
『人間関係とまちづくり』
DATE : 2006年03月19日(日)

BeGood Cafe Vol.87 ルドルフ・シュタイナー『人間関係とまちづくり』

ビーグッドカフェ恒例となった3月のルドルフ・シュタイナー特集です。 今回は、前半が子安先生の講義。後半はゲストの方々を交えてのディスカッションです。

シュタイナーの残したモノ、そしてこれから私達が築くべきことをご一緒に考えましょう。

お子様連れでどうぞ。
BeGood Cafe Vol.87 ルドルフ・シュタイナー『人間関係とまちづくり』

[ ゲスト ]
子安美知子 子安美知子さん
早稲田大学名誉教授

 

野村道子 野村道子さん
マクロビオティック料理研究家

 

柳沢玲一郎さん
シュタイナー学校教師

 


シュタイナー学校卒業のみなさん

ゲスト プロフィール詳細


ビーグッドTALK-1
ゲスト:子安美知子さん(早稲田大学名誉教授)

BeGood Cafe Vol.87 ルドルフ・シュタイナー『人間関係とまちづくり』

マイクを使わずに肉声だけで行う予定ではじまったトーク1でしたが、やはり大きな会場内ではむずかしいということで、急遽マイクを使ってのトークとなりました。「今回は特別にマイクを使うことにしましょう。ただ、マイクなしからマイクありにかわると聞いたとき、おそらくみなさんのなかで『意識を集中しなくていいから楽になる』という意識の変化があったのではないでしょうか。その変化をしっかりと覚えておくことです。そういうふうに自分の行為や言葉に意識を目覚めさせること。このことがシュタイナー学校でも生かされています」。会場のみんなが自分の意識の変化を実感したひとコマでした。

シュタイナーの少年時代のエピソードです。「ある駅にいたとき、知らない女性が現れて、何かを語ってふっと消えてしまった。家に帰り父親に話すと、ついさっき遠縁のおばさんが自殺して亡くなったことを教えてくれたそうです。きっとシュタイナーはそのおばさんを見たのでしょう」。このエピソードのように、シュタイナーは現代人が失ってしまったある能力を生まれつき持っていて、肉眼では見えない世界のことが見えていたといいます。シュタイナーは自然科学の学者でしたが、20世紀をむかえた時期を境に、学問で証明できることではなく、学問では証明できない目に見えないことを人に伝えることに方向転換をしたそうです。「人間は目に見える世界だけではなく、目に見えない世界でも生きている。それは肉体・心・魂の3つの世界です。シュタイナーはこのような人間観に立ち、その具体的な社会実践として教育や農業、銀行といったことを取り上げていきました」。

BeGood Cafe Vol.87 ルドルフ・シュタイナー『人間関係とまちづくり』

子安美智子さんは現在、NPO法人あしたの国まちづくりの会の理事長であり、千葉県の房総半島にシュタイナーの社会思想にもとづくまちをつくることを目指して活動されています。「人間が暮らしていくには、お金と話し合いと仕事が必要です。あしたの国では、『経済に友愛を、法・政治に平等を、精神文化に自由を。』という3つを理念としています。フランス革命でも自由・平等・友愛が掲げられましたがそれら3つが同時に成り立つことはありません。それぞれがそれぞれの領域において成り立つのです。あしたの国のまちづくりではこのことに取り組みたいと考えています。」シュタイナーの思想が活きる21世紀の持続可能なまちづくりに期待が集まります。

ビーグッドTALK-2
ゲスト:子安美知子さん、越中奉さん、柳沢玲一郎さん、シュタイナー学校卒業生のみなさん

BeGood Cafe Vol.87 ルドルフ・シュタイナー『人間関係とまちづくり』BeGood Cafe Vol.87 ルドルフ・シュタイナー『人間関係とまちづくり』
シュタイナー学校の先生や卒業生、現在学校に子どもを通わせている親御さん、学校の設立メンバーの方など、シュタイナー教育の現場についてお話しいただきました。

まずは小学校2年生のときにシュタイナー学校に編入したという卒業生の方に、普通の学校との違いについてお聞きしました。「まず面接のときからちがいました。先生と話をしたあと、先生と一緒に教室のなかを歩きました。今思うとオイリュトミーだったのですが、そのときにこの学校は楽しそうだなと思いました。それから、普通の学校では机の前に座って学ぶのが当たり前ですが、シュタイナーの学校では机で学ぶのではなく、自分でしたいことをしたいようにできる、枠のなかに入れられない、と感じていました」。そんなシュタイナー学校も設立のときにはさまざまなご苦労があったようです。「子どもには義務教育を受ける権利がある、とか、シュタイナー学校を出た子どもたちのための環境や社会がまだ整っていない、などいろんな人に言われ、とても苦しみました」という設立メンバーの方の言葉に重みを感じました。

最後の質問タイムでは、シュタイナー教育をひとことで言うと?という質問があり、それぞれの方の答えからはシュタイナー教育の核心が見えたように思いました。

■心を育てる教育
■競争を排除した教育
■子どもが伸びたい方向に伸びる教育
■子どもと本当に向き合うとはどういうことかを教えてくれるもの
■目に見えるもの、目に見えないもの、その両方から学びとる教育
■子どもになにか問題があるとき、答えは親のなかにあることがわかる
■子ども、親、教師、それぞれが本当の自分になること
■子どもの前に、ただただひれ伏すこと
■ステイタスへのプライドがない

SMILEワークショップ 体験! シュタイナー幼稚園

すぐに予約が埋まったこのコーナー。人形劇では手作りの羊毛でつくった人形で、‘昔話’を上演し、先生のやさしい話し声に子どもたちは引き込まれていました。フォルメンは実際に絵筆やクレヨンを手にとって色といきいきつきあい、動きのある線を生みだしてみまるというもの。体の動きで言葉を表現していく様は、見ているだけでものびのびしてきます。

SMILEワークショップ オイリュトミー
ファシリテーター:越中奉さん

オイリュトミーはシュタイナーの人間、言語、音楽をめぐる認識に端を発する動きの芸術。
満面の笑顔で参加者をファシリテートする越中さん。越中さんの言葉と動きに誘われて、みなさん子どもに帰ったように楽しそうでした。肉体の動きと発する言葉と思いを統合させて表現することの力強さを感じました。


SPEAK OUT!

鈴木一博さん

シュタイナーの演劇学校で学ばれた鈴木さんが、宮沢賢治の詩をマイクを使わずに朗読してくださいました。東北訛りの詩の意味はよくわかりませんでしたが、音のならびに遊びがあってとてもきれいでした。シュタイナー演劇では、「言葉から演技へ」を基本的な考えとしているそうです。


NPOインフォメーション

今回のテーマは代替医療ということで、ホメオパシー、レメディー、アロマオイル、メディカルハーブ、フラワーレメディー、マクロビオティック、ナチュラルコスメなどに関わる8団体の方々にお越しいただきました。当日は実際に体験したりするコーナーや、本やCDの販売も行われました。

ヘルプアニマルズ
グリーンピース・ジャパン
Ksunka Eco Creation
アースデイ東京2006

GREEN ROCK

BeGood Cafe Vol.90 GREEN ROCK / 駒沢裕城”駒沢裕城” ペダル・スティール・ギター演奏

ピュアで豊饒な音色と親しみ易い印象的な響きは、ジャンルを選ばず、あらゆる音楽に色彩と奥行きを与え、温かい息吹と輝きを吹き込んでいく。世界的にも唯一無二のペダル・スティール・ギター奏者である駒沢裕城さん。右手と左手、そして足。それぞれの動きが奏でる音は、のびやかでちょっと切ない音。昔の思い出を思い起こしているような気分になりました。

■スケジュール 2006年3月19日(日) 14:00-20:00

14:30-15:15 SMILEワークショップ (オイリュトミー)
15:30-15:50 SPEAK OUT !
15:50-16:10 NPOインフォメーション
16:25-17:25 ビーグッドTALK-1
17:45-18:45 ビーグッドTALK-2
19:00-19:45 LIVE(駒沢裕城)

■会場 代官山Ball Room
代官山BalRoom map
東急東横線代官山駅より徒歩1分
JR/日比谷線 恵比寿駅より徒歩8分
渋谷区恵比寿西1-34-17 ZaHOUSEビル
代官山Ball Roomへのアクセス
※お車でのご来場はご遠慮ください

■料金(出入り再入場可)
一般1,500円(または1,000円+500地域通貨*)
ビーグッドカフェ会員1,000円
小学生以下無料
地域通貨*=Rainbow Ring、アースデイマネーが使えます。

■お問い合わせ
・BeGood Cafe/03-5773-0225

司会:シキタ純、市川美沙 制作:カナシロリエ VJ:TOOWA2 DJ:TeL ATSUSHI
主催:BeGood Cafe
企画協力:NPOあしたの国まちづくりの会 http://www.ashitanokuni.jp/
     日本アントロポゾフィー協会 http://www.anthroposophische-gesellschaft.jp
協力:ASADA(Airlab)

★Thank you for not smoking 会場内は禁煙です。

ゲストプロフィール

■子安美知子さん
早稲田大学名誉教授

旧京城生まれ。東京大学教養学科、同大学院比較文化科卒業。ミュンヘン大学ほかに留学。現在、早稲田大学名誉教授。ドイツ語、ドイツ文学専攻。著書に『ミュンヘンの小学生』『ミュンヘンの中学生』『魂の発見』。訳書に『シュタイナー学校・銀 行・病院・農場』(共訳)、ほか多数。

■野村道子さん
日本アントロポゾフィー協会理事


■駒沢裕城さん
音楽家/ペダル・スティール・ギター奏者

東京・杉並生まれ。幼少からクラシック音楽に親しむ。70年代初頭、「はちみつぱい」のメンバーとして活動を開始。「風街ろまん/はっぴいえんど」「ひこうき雲/荒井由実」「Japanese Girl/矢野顕子」を始めとする日本ポップス黎明期の歴史的セッションの多くに参加する。90年代以降は、「ゆず」「槇原敬之」から「Kiroro」「矢井田瞳」まで、多くのセッションに参加。世界的にも唯一無二のペダル・スティール・ギター奏者である。