091 目指せ 環境ニッポン!
〜2025年私達の暮らし〜
いつ日本は環境先進国になれるのでしょうか?
二酸化炭素の削減やゴミを減らすことは簡単ではありません。
でも、将来の社会プランが明確になれば、みんなの心意気も変わってくるというもの。 七夕の夜、みなさんと一緒に「環境先進国への道」を考えてみました。
ビーグッドTALK-1
『2025年、2050年のストップ温暖化シナリオ』
ゲスト:塚原沙智子さん(環境省)、宮下真穂さん(みずほ情報総研)、薗田綾子さん(株式会社クレアン代表取締役)
氷河の後退、海面上昇、砂漠化、珊瑚の白化現象……。この地球上で温暖化によるひずみがどんどん生まれています。しかも、これは自然環境だけの問題ではなく、貿易摩擦、社会的インフラへの影響、途上国の貧困拡大、難民の増加など、深刻な社会問題にもつながっているのです。
では今、日本では、温暖化に対して、どのような対策が考えられているのでしょうか?塚原さんと宮下さんにお話を伺いました。
「環境省では“バックキャスティング”を行っています」と塚原さん。「“バックキャスティング”とは、将来から現在を振り返り、「どの程度の気温上昇なら大丈夫か?」「どれぐらいの二酸化炭素の量なら大丈夫か?」を考察する方法です。“2050年脱温暖化プロジェクト”とし、都市、交通、ITの専門家など、12の大学、4つの研究機関、50名程度の研究者を巻き込んで始めています」。
スケールの大きいプロジェクトに期待がかかりますが、「研究面だけでは難しく、政府側の制度、産業界技術、身近な行動など、たゆまぬ努力が必要」というのが実情のようです。 「言の葉さらさら2025」プロジェクトの代表を務める薗田さんにもご登場いただきました。「温暖化をはじめ、環境問題、社会問題など不安な要素がいっぱいありますが、みなさんの明るい社会のイメージをたくさん集めて、それを2025年のビジョンにしていきたい」。
「言の葉さらさら2025」

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ペオ・エクベリさん 環境コンサルタント
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土居 健太郎さん 環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 国民生活対策室長
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井手迫 義和さん 気象予報士、環境ナビゲーター
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薗田 綾子さん 株式会社クレアン 代表取締役
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塚原 沙智子さん 環境省 地球環境局 研究調査室
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宮下 真穂さん みずほ情報総研株式会社 環境・資源エネルギー部
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國田 かおるさん NPOローハスクラブ
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長谷部 健さん NPO法人グリーンバード代表
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ビーグッドTALK-2 『ロハス都市構想』
ゲスト:國田かおるさん(NPOローハスクラブ主席研究員)、長谷部健さん(NPO法人グリーンバード代表)
渋谷生まれ渋谷育ちの長谷部さん。「昔から、出身地の話になると、『いいなぁ』ってよく言われました。これって、実は、渋谷がそれだけ注目されているってことだと思うんですよ。“渋谷”が変われば、“東京”も変わるかもしれないし、“日本”もかわるかもしれないし、“世界”も変わるかもしれない。渋谷からアクションを起こせば、個人のライフスタイルを変えることができるんじゃないかと考えているんです」。
「現在、まだ構想を練っている状態なんですが、行政と企業に、できることを10件ずつ提案しています。たとえば、屋上緑化やソーラーパネルを利用すれば国から補助金を出してもらったり、天ぷら油でバスを走らせてもらったり……」。
“渋谷をロハスにーー”。なんだか、どでかいムーブメントが巻き起こるような気がします。
浴衣ショウ
モデルを一般公募し、竹久夢二の絵画に出てくる模様を再現した浴衣で浴衣ショウを行いました。日本の暑い夏も、たまには涼しげな浴衣姿で過ごすのもいいですね。
ビーグッドTALK-3 『環境先進国の目指し方』
ゲスト:ぺオ・エクベリさん(環境コンサルタント)、土居健太郎さん(環境省)、井出迫義和さん(気象予報士)
スウェーデン出身のぺオさんに、スウェーデンのエコ事情について聞きました。「スウェーデンではバイオガス(生ゴミからでるガス)で車が走り、バイオガスはガソリンスタンドで売っています。ガソリンより安いし、駐車場もタダになる。新車の15%はバイオガスを使っています」。
スウェーデンでは1人が1ヶ月に出すゴミの量は、なんとサッカーボール1個分、およそ4キロなのだとか。さすが、“環境先進国”です。一方、日本人1人が1ヶ月に出すゴミの量は27キロと約7倍。その差に愕然としました。
けれども、「日本には、スウェーデン以上に可能性がある」とぺオさんは言います。「日本人の環境に対する意識は強い。スーパーでビニール袋を断ったり、お弁当を買っても割り箸を断ったりしているでしょう。あれはすごいですよね。日本には、ただビジョンがないだけ。ちゃんと引っばってくれる力がないと、どんなに意識が高くても前には進みません」。
日本の環境は、悪くなることはあっても、良くなることなんてないんじゃないかと、ずっと悲観的だったわたし。でも最近、“MYお箸”や“MY水筒”を持っている若い人たちが増えた、という新聞記事を読んで、ちょっと、心が小躍りしました。ぺオ・エクベリさんの「日本にはスウェーデンよりも可能性がある」という言葉が忘れられません。また、環境省の土井さんが、「綿密に計画を立てて、できないとすぐに諦めるのではなく、想像力を働かせて、まず何かを始めることが大事」とおっしゃっていましたが、ごもっともです。
持続可能な社会を目指して、できることから始めませんか?
■スケジュール 2006年7月7日(金) 18:30-21:30
18:40-19:05 | ビーグッドTALK-1(2025年、2050年の脱温暖化のシナリオ) |
19:05-19:30 | ビーグッドTALK-2(ロハス都市構想) |
19:30-19:45 | 浴衣ショウ |
20:10-20:40 | LIVE |
20:40-21:20 | ビーグッドTALK-3(環境先進国の目指し方) |
■会場 代官山Ball Room
東急東横線代官山駅より徒歩1分
JR/日比谷線 恵比寿駅より徒歩8分
渋谷区恵比寿西1-34-17 ZaHOUSEビル
代官山Ball Roomへのアクセス
※お車でのご来場はご遠慮ください
■料金(出入り再入場可)
一般1,500円(または1,000円+500地域通貨*)
ビーグッドカフェ会員1,000円
小学生以下無料
地域通貨*=Rainbow Ring、アースデイマネーが使えます。
*浴衣での入場者は入場料500円オフ。
■お問い合わせ
・BeGood Cafe/03-5773-0225
司会:シキタ純、市川美沙 制作:カナシロリエ VJ:TOOWA2 DJ:TeL
主催:BeGood Cafe
共催:言の葉さらさらプロジェクト
特別協力:株式会社クレアン
衣装協力:株式会社イフスタジオ、国際文化学園
協力:ASADA(Airlab)
後援:環境省
★Thank you for not smoking 会場内は禁煙です。
■ペオ・エクベリさん OneWorld代表、環境コンサルタント |
1968年スウェーデン・マルメ(MALMO)市生まれ。NGO平和・環境団体のリーダー、ジャーナリストを経て、1997年OneWorld(ワンワールド)国際環境ビジネスネットワークを設立。日本全国でサステナビリティのための環境教育の講演会、環境コラム執筆、テレビやラジオ出演(J-WAVEと東京FMのエコロジー・ロハス番組に4年間レギュラー)また、国際プロジェクト「シティ・エコヴィレッジ東京」の共同代表。 20年間の環境保護活動の経験。在日15年目。
■土居健太郎さん 環境省 地球環境局 地球温暖化対策課国民生活対策室長 |
65年札幌市生まれ、90年北海道大学工学部大学院修了・厚生省入省、03年10月より現職(環境省地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室)
■井手迫義和さん 気象予報士、環境ナビゲーター、気象環境センター取締役、IABM(国際気象放送協会)アジア代表理事 |
長崎県大村市生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了。日本テレビ等で気象キャスターを担当後、03年、気象環境センター設立。出前授業、講演、ラジオ日本の番組等で地球温暖化防止啓発活動を推進中。
■薗田綾子さん 株式会社クレアン代表取締役 |
兵庫県西宮市生まれ。広告代理店、リクルート勤務を経て1988年に株式会社クレアンを設立。企業と市民をつなぐコミュニケーションを進め、現在は環境報告書やサステナビリティレポートの作成を45社より受託している。小池環境大臣の懇談会「環境ビジネスウィメン」のメンバーにも選ばれる。現在、言の葉さらさらプロジェクトの実行委員長およびGRI日本フォーラムの事務局長も務める。
■塚原沙智子さん 環境省 地球環境局 研究調査室 |
05年4月環境省入省。地球環境局研究調査室所属。50年後の将来を見据えた温暖化対策の科学的研究プロジェクト、「低炭素社会に向けた脱温暖化2050プロジェクト」を担当。
■宮下真穂さん みずほ情報総研株式会社 環境・資源エネルギー部 地球環境室 コンサルタント |
東京工業大学大学院社会工学専攻修了後、株式会社富士総合研究所(現:みずほ情報総研株式会社)入社。「低炭素社会に向けた脱温暖化2050プロジェクト」など、地球温暖化問題に関する調査研究に携わっている。
■國田かおるさん NPOローハスクラブ |
慶應義塾大学法学部卒業後、エネルギー会社入社。その後、京都大学院地球学舎にて環境政策を学ぶ。2004年松下政経塾入塾。環境と経済の両立をテーマにLOHAS、ECO、ソーシャルベンチャーといったテーマで講演、執筆多数。
■長谷部 健さん NPO法人グリーンバード代表 |
1972年、東京都渋谷区神宮前生まれ。学生時代はオージーボール日本代表として活躍。大学卒業後、株式会社博報堂に入社。2002年10月に退社し、2003年1月にNPO法人「green bird」設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨て問題に関するプロモーション活動を開始する。同年4月の渋谷区議会議員選挙でトップ当選を果たし渋谷区議に。「春の小川プレーパーク」「シブヤミライプロジェクト」「マイケル・ジョーダン・メモリアルコート」、「シブヤ大学」の設立など、数々のプロジェクトを実現している。