097 私を癒すイメージの力
サイモントン療法入門
今回で3回目となる「代替医療入門」。毎回、関心が高く期待度の大きいテーマです。今回も200名以上のお客様をお迎えし、おかげさまで満員御礼。持続可能な社会、より良い社会のために、これまでの現代医療だけではない選択肢を選ぶ必要があることを、みんなが感じているのですね。
本来、人間に備わっている「自然治癒力」。一体どうしたら、そのスイッチを入れることができるのでしょうか? 今回は『私を癒すイメージの力』というテーマを掲げ、世界的に有名なイメージ療法の「サイモントン療法」を取り上げました。また、命のエネルギーに優しい服「うさと」のファッションショウも開催。内なる癒しの力についてじっくり学べた1日でした。
ビーグッドTALK−1
ゲスト:さとう うさぶろうさん(「うさと」服飾デザイナー)
欧米でデザイナーとして活躍していた16年前、ある日突然スピリチュアルな体験をしたといううさぶろうさん。自分に何が起こったのか知りたいという思いから、それまで全く関心のなかった精神世界や宗教について2年間勉強をしたのだそうです。その後、服を通じて癒しを伝えていきたいと考え、それにふさわしい布を求めて世界中を旅します。そして行き着いたのがタイでした。
タイ・イサン地方で生産をしている「うさと」の布ですが、その発注の仕方はとてもユニーク。講習会を開いて日本の古美術や絵画、夜空や畑など自然の景色を一緒に鑑賞し、そのイメージで布を作ってもらうのだそうです。しかも納期もノルマの指定もなし。自然のイメージから生み出され、自然と共に生きる人たちによって紡がれた「うさと」の服を、うさぶろうさんは「ともかく体感してほしい」と言います。
「このまま世界はどこへ行ってしまうか? それに気づくには自分自身に気づくことが一番手っ取り早いのです。都会で人口添加物の中に生きていると自分を見失います。自然の息吹をまとうと自分に気づけるのです」。優しく温かく、自分らしさに帰っていくことをお手伝いしてくれる「うさと」の服。まるで作る人、着る人、そして見る人までも幸せにしてしまうかのようでした。
ビーグッドTALK−2
ゲスト:上野圭一さん(翻訳家、CAMUNet 副代表)
持続可能な社会を実現しようという世界的な動きの中で、「代替医療」への関心はますます高まっています。もちろん現代医療で助かる命も多いのですが、持続可能な方法とは言えないのが事実。病院はもはや大量の有害な医療廃棄物を生み出さなければ成り立たなくなっており、その廃棄物は処分しきれずフィリピンなどへ輸送されて問題となっています。また、現代医療は構造も治療法も刹那的なものです。
「病気」と言う言葉を「病んだ気」ととらえて「気」の部分をよく考えるべきなのに、現代医療の医師は「気」についての勉強をしません。上野さんは、ここに現代医療と代替医療の断絶があると言います。
「私たちは寝ても覚めてもイメージの洪水の中にいます。どうせイメージするのなら、社会にとってより良い、地球にとってより良いイメージを自分の中に湧かせたほうがよいのです」。「私」という存在を構成する成分は「言葉」と「イメージ」である、と上野さんは言います。ならば良いイメージをすることで、自分の成分をよいものに入れ替えることができるのです。
死期が迫った患者さんの中には、自宅に帰して住みなれた家で過ごすだけで状況が良化する場合もあるのだそうです。より良い医療とは? 本当の癒しとは? ということについて改めて考えさせられました。
ビーグッドTALK−3
ゲスト:川畑 伸子さん(サイモントン療法認定トレーナー・カウンセラー、NPO法人サイモントンジャパン副 理事長)
「サイモントン療法」は、1971年にDr.カール・サイモントンが始めた心理療法。ガン患者だけではなく、ストレスに起因する病気全般への治療として行われています。 Dr.サイモントンは、性別、年齢、症状など条件がほとんど同じガン患者に同じ治療を施しても改善する人と悪化する人がいることを疑問に思い、やがて「人生や治療に希望を持っている人は改善する、絶望感を持っている人は悪化する」ということに気づきました。
では「希望」とは何でしょうか? Dr.サイモントンは辞書で調べたそうです。希望=hopeとは「信念である。状況や可能性にかかわらず自分が得たいと思う結果を得られると信じること」。どのような状況であっても自分が治ると信じることが希望なのです。現代医療では患者に対して闇雲に希望を与えてしまうことはタブー。ですがDr.サイモントンは1971年、末期のガン患者に「希望」をキイワードに初めてサイモントン療法で治療を行い、4週間でガンが消えてしまったという結果を出したのです。
サイモントン療法では病気は自分へのメッセンジャーだととらえます。人間は自分の本性から離れてしまったとき、否定的な方法でもバランスを取ろうとします。生きる喜びから離れて生きてしまっている人に、病気は気づきのメッセージを与えてくれるものなのですね。
ビーグッドTALK−4
ゲスト:上野圭一さん&川畑伸子さん&さとううさぶろうさん
ゲストのみなさんが一堂に会し、「イメージと癒し」について語っていただきました。異なる立場のみなさんでしたが共通していた意見は、自然に帰る、そして本来の自分に気づく、ということが大切だという点。上野さんからは、カトリックの聖地であるルルドの泉を訪れて病気が治癒した人についての研究によると、治癒した人たちに共通しているのは「生かされているということに喜びを感じる人」なのだというお話もありました。大いなる力を感じ、ありのままの自分でいることが大切なのですね。
最後の質疑応答ではお客様から活発に質問が飛び出し、大盛況のうちに97回目のBeGoodCafeは終了しました。「私の癒すイメージの力」、みなさん感じることができたでしょうか?
うさとファッションショウ&天鼓+宮川昭夫ライブ
「命の輪」「平和の輪」「祈りの輪」という3部構成で行われたファッションショウ。天鼓のお二人とキーボーディスト宮川さんの奏でる大地の温かさが伝わってくるようなサウンドが、優しい「うさと」のファッションにぴったりでした。ご協力いただいたモデルのみなさん、ありがとうございました!
Smileワークショップ/ナチュロパシック・ヨーガ(国際ナチュロパシー協会) 今回3回目の登場となった林香織さんのヨーガのワークショップ。先生のインストラクションで、深い呼吸と共に自分の内面へ意識を転じ、内なるエネルギーが自分の体から湧き上がるエネルギーを感じます。ペアワークでは、お腹から湧き出る流れをイメージしながらお互い引っ張り合いをすることで予想以上の力が出るという体験に参加者のみなさんが驚く一コマも。 |
|
代替医療を知る・感じる・体験するコーナー
さまざまなヒーリング商品の販売や施術を行なうブースが出展しました。出展団体のみなさま、ありがとうございました。 |
|
イメージワークショップ
川畑先生によるイメージ療法のワークショップ。リラックスして宇宙とともに呼吸をし、古い自分を褒め称え、新しい自分を快く迎える。安心と喜びをイメージし、細胞の1つ1つに丁寧に働きかけていきます。「無理しないで」という病気からのメッセージに耳を傾けることによって、普段は意識することのない自分の中に眠る癒しの力に気づくことができました。 |
ゲストプロフィール
■上野圭一さん 翻訳家、CAMUNet副代表 |
翻訳家、針灸師。1941年生まれ。早稲田大学英文科卒。テレビ局勤務を経て、カウンターカルチャー真っ盛りのアメリカに渡り、おおいにその影響を受ける。1999年CAMUNet(代替医療利用者ネットワーク)の設立に参画、副代表としてその論理的・情報的基盤を支える。
日本ホリスティック医学協会副会長、日本代替・相補・伝統医療連合会理事、日本統合医療学会理事。アンドルー・ワイル氏の友人として「人はなぜ治るのか」以降、著書の翻訳を一手に手掛けるほか、自著としても「ナチュラルハイ」「ヒーリング・ボディ」「代替医療〜オルタナティブメディスンの可能性」「補完代替医療入門」「わたしが治る12の力—自然治癒力を主治医にする」など多数。
■川畑伸子さん サイモントン療法認定トレーナー・カウンセラー、NPO法人サイモントンジャパン副理事長 |
米国マサチューセッツ州Endicott大学Liberal Arts Humanity首席卒業後、経営コンサルティング会社、貿易会社を経て通訳・コーディネーターとして独立(米カリフォルニア州ロサンゼルス)、通訳の仕事を通してサイモントン療法に出会う。以降Dr.カール・サイモントンの専属通訳として仕事を重ねると同時に、同療法認定セラピストとしてのトレーニングを受け、2001年8月、米国で認定授与、日本人第1号の認定セラピストとなる。
■さとううさぶろうさん うさと 服飾デザイナー |
北海道南富良野出身。日本で企業デザイナーを経験した後、欧米でオートクチュール、ウェディングドレスなどの創作活動を行う。1994年から命のエネルギーを感じる本物の素材を求めて世界を旅し、1996年タイ・チェンマイに行き着く。タイの少数民族の伝統的な手織り、草木染めの布等、素材を活かしたデザインの服を創作し続けている。2004年から『Celebration of Oneness』と題した平和の祈りのイベントを うさとの縁で結ばれた人たちと一緒に全国各地で開催している。現在タイ・チェンマイ在住
http://www.usaato.com/